長編予定地
□ある飛行術教授の休み時間
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バタンッ!
「マックゴナガル教授〜!」
「…Mr.フェルナンド、人を訪ねる時はきちんとノックなさいと教えたはずですよ?」
新学期開始からしばらく経ったある日の午後の事だった。
変身学の教室に突然現れたロジィに驚く事もなく、注意の言葉を放ったのはグリフィンドール寮監のマクゴナガル教授だ。きっと彼が学生の内は苦労したのだろう。
「まぁまぁ。ダンブルドアに先生のレポート採点手伝えって言われてさ。」
悪びれた様子もないロジィは早速用件を切り出した。
実技メインの飛行術にレポートはなく、他の教授陣よりも少し余裕のあるロジィ。しかも放っておけば、生徒に悪戯指南をしかねない彼。
そんな彼のストッパーとしてダンブルドアが選んだのがマクゴナガルだったのだ。
ちなみに他の教授だと、からかわれて終わりだろうと思っての元寮監への派遣である。
「そうですか。では、こちらに…」
マクゴナガルがロジィを呼び寄せようとした所、再び扉は開かれた。
しかも、砕かれるのではないかという音を立てて…
「マクゴナガル先生っ!」
そこに立っているのは一人の美少女。
たっぷりした赤毛が特徴のリリー・エバンスだ。
「コラコラ、エバンス?いくら急いでてもノックは必要だろ?」
しれっとそんな事を言うロジィに、マクゴナガルから白い視線が送られている。もちろん、優等生のリリーは気付くことなくワタワタと謝っていた。
「で、Miss.エバンス。何事ですか?」
自分の気持ちを切り替えるためか、一つ咳払いをしたマクゴナガルが問いかけた。
だが、そこにもう一人乱入者が出現。
「あぁ!可愛いリリー!こんな所にいたのかい?」
既に全校生徒からリリー馬鹿と認識されているジェームズである。
これはきっと被害届をマクゴナガルに出しに来たと思って間違いないだろう。
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