短編・中編

□お兄様は蛇寮!
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組み分け帽子を燃やしたいと思っているのは私だけかしら?

でも、あの時に戻れるなら本当に燃やしてしまいたいわ。
そうでしょ?
だって、私を……グリフィンドールに入れるなんて。



「やぁ、ロジィ。何してるんだい?」

「あら、Mr.ポッター。スネイプ教授に頂いた課題はできたのかしら?私なんかに構っているヒマなんてないんではなくて?」

あぁ、憎らしいポッター。どうして私がこんなヤツと言葉を交わさなくちゃいけないのかしら?

「課題はまだだけど、提出は来週だから大丈夫さ。君が心配してくれるなんて嬉しいよ」

「とうとう頭がおかしくなったようね。あなたの心配なんて私がするわけないでしょう?」

コイツ本当に頭がおかしいんじゃないかしら。
私が誰の妹か分かってるの?

「大丈夫だよ、君がツンデレなのは分かってるから」

お話にならないわね。
大体、私は今からお兄様の所へ遊びに行く所なのよ!

「Mr.ポッター?私急いでいるの。どいて下さる?」

「ハリー!またロジィに構ってたの?!僕、止めとけって言ったじゃないか!」

あぁ、また煩いのが来たわね。
でも丁度いいわ。

「Mr.ウィーズリー、Mr.ポッターを連れて行って下さるかしら?彼、とっっても邪魔だわ」

「…ほら、ハリー。コイツもこう言ってるんだし、談話室でチェスでもしようよ」

そうよ、ウィーズリー。そのまま引きずって行きなさい!
バカなお子ちゃまはバカ同士で遊んでいればいいんだわ!

「イヤだ。僕、ロジィから一瞬も離れたくないよ」

「何言ってるんだよ、ハリー!コイツ、マルフォイの妹なんだぞ?!」

…何なの?この赤毛野郎?
お兄様をバカにするつもりなのかしら?
あぁ、もう我慢できない!

「ソバカスの赤毛がお兄様の事バカにしないでちょうだい!」

「バカをバカにして何が悪いんだよ!」

「ロジィに怒鳴るな!」

…ポッターがいたらマトモな言い合いも出来ないわ!
大体、私ファーストネームで呼ぶ許可なんて出してないのよ!

なんてお馬鹿な言い合いに私まで交じっていたら、愛しいお兄様の声が聞こえた気がするわ。

「ロジィっ!」

わっ!本当にお兄様だ!
今日も存在が素敵だわ!

「お前たち!ロジィに何してるんだ?!それに、ポッター!ロジィに近付くなと言ったはずだぞ?!」

さり気なく私を背後に隠してくれるお兄様。
何て…何て素敵なの!

「キャーッ!お兄様素敵っ!!」

「ぅわっ!ちょ、ロジィ、飛びつくのは家だけにしろと言っただろ?!」

はっ!そ、そうだったわ!
じゃないと面目が保てないって前の休暇で言ってたじゃない!
あぁ、もう私ってバカ!
…お兄様呆れちゃったかしら?

「全く、ロジィはいつまでたっても僕がいなきゃダメだな」

「…ごめんなさい」

「いや、むしろ望むところだ。ロジィはずっとそのままでかまわないさ」

「…お兄様!っ大好き!」



「……マルフォイってシスコンなんだね」

はっ!
私としたことが!

コイツらが居るのを忘れてたわ!
ちょっと、ウィーズリー!何白い目で見てるのよ?!

「行こう、ハリー」

そ、そうよ!さっさとどこかへ行って頂戴!
ちょっぴり恥ずかしいわ!

「あ、ロン。ちょっと待って」

???

「マルフォイ。いや、お兄さん!ロジィを僕に下さい!」

「「「………」」」

「はっ!だ、ダメだ!絶対にポッターにはやらないぞ!!」
「ハリー?!キミ、何言ってるの?!」
「バ、バカじゃない?!」

三者三様。
この四文字熟語を此処までキレイに体言したのは初めてだわ!


「だ、大体!キミにお兄さんなんて呼ばれると気持ち悪い!」

…お兄様鳥肌たってるわ。










あの時に戻れるなら本当に燃やしてしまいたいわ。
アナタだってそう思うでしょ?

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