長編予定地
□ある飛行術教授の入学式
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全ての生徒の組み分けを終えると、おもむろにダンブルドアが立ち上がる。もちろんロジィが目を付けていた生徒たちは揃ってグリフィンドールのテーブルで何やらコソコソやっていた。
「新入生諸君、ようこそホグワーツへ。そして、在校生諸君、よく戻った。」
厳格な声が生徒たちのざわつきを納めていく。
「さて、ご馳走を心待ちにしている諸君には申し訳ないのじゃが、先に新しい先生を紹介しよう。」
ダンブルドアに紹介を受け、ロジィは立ち上がる。
「上級生達は覚えているかもしれないが、ロジィ・フェルナンドだ。今年から飛行術の教鞭をとる事になった。ま、宜しく頼む」
目を見張るグリフィンドール上級生たちに軽く手を振って腰を下ろした。
そして、ホグワーツ恒例ダンブルドアの楽しいスピーチが済まされ、宴は始まった。
だが、豪勢な料理に生徒たちが目を奪われた瞬間、盛大な破裂音が大広間を襲った。グリフィンドール席からだ。
「はじめまして、みんなっ!僕らは悪戯仕掛け人!」
爆音に固まってしまった生徒たちの中で、椅子の上に立ち上がる4人の新入生がいた。
悪戯仕掛け人と名乗ったその4人は、楽しそうに喋り続ける。
その頭上には猛々しく唸る巨大な獅子。破裂音はどうやらコレを形作っている花火の音だったようだ。
「これから7年間、僕たち4人がホグワーツ生に笑顔をお届けするよ!」
その中の代表格なのであろう、素晴らしいクシャクシャ頭の少年がそう告げ、4人は揃って恭しくお辞儀をした。
「う〜ん、70点。…あ?」
広間にいる全員が呆気にとられるなか、ロジィだけは、ニヤニヤと笑顔を張り付けたままだった。だが、次の瞬間その笑みは苦笑に変わる。
グリフィンドールの寮監であるマクゴナガルがこめかみに血管を浮かべて彼らの方へ向かったからである。ご愁傷様。
怒りに震える彼女の杖が、一瞬にして燃え盛るライオン獅子を消し去った。
「…面白いの入って来たな。こりゃ、ホグワーツも楽しくなりそうだ」
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