混迷∞青年記A 第七章〜
□第七章第三話
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夏休み
それは何学生であれが誰もが楽しみにするものだろう
中高生ともなれば行動範囲も広がるので、泊まりは出来ずとも色んな所にいける
高校生なんかはアルバイトもするだろうし
受験生にとっての山場でもある
なのに俺の周りの受験生といったら…
『空!お前いつまで寝てるんだ?』
『ふにゃ…あと5分〜』
『かれこれ1時間近くたってるぞ、起きろ!』
被っている薄い掛け布団を無理矢理剥がす
すると空は観念したようで、枕に顔を数秒埋めてからのそのそとベッドから降りてきた
『今何時ー…』
『もう10時だ』
『まだ全然寝れるじゃないかぁぁ』
そう言って再びベッドに戻ろうとする奴を
俺は後ろから羽交い締めにして止めた
『夏休みだからってずっと寝てて許されると思うなよ?』
『やあぁー…俺の布団』
まだ俺より小さい空はそれ以上抵抗することもできず
そのまま諦めて顔を洗いにいった