混迷∞青年記A 第七章〜

□第八章第三話
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旅館につくと中からホテルマンが出てきてくださったので荷物を預ける
今回お世話になる旅館は雑誌にも載るようないいところだ
最初は少し高いんじゃないかと反対したのだが、月収100万近い彼等
たまには少し贅沢したいと押し切られてしまった
俺としてはいたい出費になると思ったのだが、薄らハゲが学生の付き添いとして行くなら援助するならと援助をだしてくれた
嬉しいような…嬉しくないような複雑な気分だ

手続きを済ませ、部屋を案内してもらう
今回は2人用と3人用の部屋を用意してもらった
5人部屋でもよかったのだが、大きい男ばっかりなので部屋を分けてのんびりしようという訳だ
とりあえず3人部屋に荷物を置いて部屋割りの相談
…なのだけれど


『俺北倉と2人部屋な!』

『はぁ?てめぇが北倉と同じ部屋になったら北倉の腰が壊れんのは目に見えてんだろ俺だ』

『もー!光一兄も晃史兄もケンカしないの!』


春原と龍崎が俺と2人部屋がいいと言って聞かない
こいつら子供だな、本当に
呆れてため息が出る…
…少しは嬉しかったりもするんだけどな

2人とも譲らないので俺と春原と龍崎で3人部屋という選択もあったのだが
それは流石に疲れそうだったので俺から言い出しはしなかった
しかしここで痺れを切らした空が、平等に決めようとグッパーで別れることを提案
それなら…と2人も納得し、5人によるグッパーが始まった!

結果は…


『ちっくしょおおおおおお!!』

『空はいいとして何で春原なんかと同じ部屋で過ごさねぇといけねぇんだよ!』

『まぁまぁ2人とも!たまには二十歳にも休息の時間をあげなきゃねっ』


春原、龍崎、空がパーで3人部屋
俺、嵩海がグーで2人部屋となった
うん。なんだかんだで1番平和な部屋割りなんじゃないかな
俺としてはだけど
空とは普段から同室だし、嵩海と2人きりって機会も少ないからちょうどいいかもしれない


『じゃあ俺たちは自分の部屋に荷物を移動させるから
それで少し休んで、準備ができたら海に行こう』

『りょーうかーい!』


まだギャアギャア騒いでいる春原と龍崎を空に任せて
俺と嵩海は隣の部屋へ荷物を移動させ、冷蔵庫やらなんやらと物を確認してからひと息ついた


『運転お疲れ様、二十歳』

『久々に長時間運転したけど、思ったほどじゃないよ。ありがとうな』


それに、今大変なのはきっと空の方だろう
あの2人をまとめて丸めこむのは至難の技だぞ…


『空の心配ならあいつは大丈夫
なんだかんだであの2人、空に甘いからね…きっとすぐ大人しくなゆよ』

『だといいんだけど…』

『まっ二十歳の代わりにはならないだろうけどね!』

『あはは…』


俺は乾いた苦笑いを浮かべて、今隣の部屋で何が起きているのかちょっと考えながら
のんびりお茶を淹れて、ゆったりするのであった
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