混迷∞青年記A 第七章〜

□第七章第二話
1ページ/12ページ

『悪いな、折角会えたってのに部屋の片付け手伝わせて…』

『いいの。二十歳のお父さんとも久しく会ってないしね』


夏休み目前の休日
俺はまだ終わっていなかった1人暮らしの時の荷物整理のため由奈と実家に向かっていた

何故由奈もいるかというと
最初は勿論1人で行くつもりだったんだが由奈から会いたいと連絡を受けまして
今更見られても困る物もないし
整理の手伝いを頼んだ処、快くOKしてくれたのだ


『ただいま』

『お邪魔します』

『帰ったかー二十歳。由奈さんもいらっしゃい。ゆっくりしていきなさい』

『ご無沙汰してます』


微笑む由奈に親父の表情が緩む
初めて由奈を紹介した時はお袋もいて、親父はお袋の前で
「由奈さんみたいな若くて可愛い嫁がいい」
と言って頬をつねられていたものだ

余計な話だが俺も由奈のご両親とは面識あって、お姉さんや弟さんとも連絡先を交換している
お姉さんは去年結婚なさっていて、結婚式にも招待していただいた
その時に投げたお姉さんのウェディングブーケを由奈が取った時には
『二十歳くん、由奈を泣かせたら私があなたを調理するからね』
なんて笑顔で言われたものだ
今のままじゃ本当に調理されかねないけどな…
因みにお姉さんは料理人なので料理の腕は素晴らしいです

弟さんはまだ高校生。
たしか今年受験とか聞いてるから3年生かな?
嵩海と同い年か


『すみません、仏壇に参らせてもらっても…?』

『ああもちろん構わんさ。あいつも喜ぶだろう』


じゃあ荷物は俺の部屋に置いていこう、と荷物を置いて
お袋の仏壇のある部屋へ足を運んだ
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ