純白の絆


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「ゆ、夕焼けが綺麗ですねー委員長」

「そんなことはどうでもいいよ」

「うっ、」

「僕の並盛で起こった出来事について、説明してくれるんだろうね」

「も、勿論でございますです」

「そう。ならいいよ」

「え、もしかして家に上がる気?」

「当たり前でしょ。それともなに、僕に外で話を聞けと君は言っているのかい?」

「いえいえ、どうぞ中にお入りください!」







帰り道、何故か家の前で待っていた雲雀に捕まり、結局家に入れることに。

帰ったらさっさと寝ようと思ってたのに、予定が狂わされた。
なにが僕の並盛だ、ふざけるなよ委員長。笑わせるな雲雀恭弥。







「何か言いたいことがあるようだね」

「実はさっきこんなことがあってねー」









読心術ダメ、絶対!
とまあ、やむ終えず並盛の秩序(自称)である雲雀に事の端末を説明した。
と言っても大ざっぱにだけど。








「ふうん、またあの草食動物と群れてたんだ」

「え、反応するのそっち!?問題は敵の方であって、」

「その男はいずれ僕が噛み殺すよ。でも今は、」

「へ?」

「風紀の仕事をサボった副委員長に、お仕置きをしないとね」

「いや、待ってよ。そもそも日曜は学校自体が休みじゃないの」

「関係ないよ。風紀を守らせることに、休日なんてない」

「......理不尽だ」

「黙りなよ」

「んう...!!」






長期戦となった会話のバトルも、雲雀が仕掛けてきた口付けによって呆気なく幕を閉じ、







「......はぁ...」

「......ん...」









唇が離れた頃には、もう話す気力もなくて、









「疲れたんだね。ゆっくりおやすみ」

「ん......」







お前のせいだよ。なんて言葉も、額に落ちた唇に飲み込ませられて。










「君が無事で良かったよ雪乃...」








薄れゆく意識の先に、安堵の表情を浮かべる雲雀が、見えた気がした。



 
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