斎千前提世界用
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それから夕餉の時間、壱華はせっせとご飯を口に運んでいた
それは余計なことを言わないようにするため
それでもこの広間の中で共に食事をしている全員が少女が未来から来たということ、それから名前は知っている。
もっとも、少女が自分から言ったのはそれくらいだったからというのもあったが。
そして…少女は妙に人懐っこかった。
「……総ちゃんって小食だよね。なんでそんなにおっきいの?」
「うん?まぁ、負けたくない人がいたからね。」
「すっごいね!」
にこにこと笑いながらも少女は知っている、彼の行く末を……
それを気づかせないようにすることくらいは余裕でできる子だから
……というのはやはり血なのかもしれないが
「壱華は小さいよね。」
「それが問題なんだよ!予定ではもうちょい大きくなってるつもりだったのにー」
身長はもう1人の預かりになっている少女よりも少し小さいくらいで
いつのまにか綺麗に食べ終わっている少女は妙に楽しそうに話をしていた
時期で言えば屯所移転前、いや、それよりもあの人が来る前の時期
だからこそこんなにも殺伐さが少ない。