斎千前提世界用

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結局、少女は新選組預かりとなった……が、大人しく部屋に閉じこもっている性格ではないのだ……壱華は……

「あ、ねこ!!」

壱華は彼らが目を離した隙に縁側の下に潜ったり、木に登ったりしていた……

「副長、また壱華が……」
「またか……今度はどこに行ったんだ…?」
「……屋根の上に……」

大人しくしていたのは初日だけ。
屋根の上で丸くなって眠る少女はタイムスリップさえものともしていなかった


―それは、幼い頃……ボクは曽祖父や祖父から昔の話を聞くのが楽しかった。

「じいちゃん、ひいじいちゃん、ひいひいじいちゃんってどんな人だったの?」
「そうだねぇ……あの人はとても真面目で、母様を愛していた」
「私は会ったことないからねぇ……婆様も爺様を愛していたよ」
「へぇ……!」

曽祖父が言う高祖父は、真面目で、家族を大切にしてとても愛していた。

左利きだからという理由だけで差別され、誠を背負い、真の侍を目指していた人。

高祖母はそんな高祖父を傍で見続け、決して離れず共に居続けたのだと……

「ボクも会ってみたかったなぁ……ひいひいじいちゃんとひいひいばあちゃん!」
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