斎千前提世界用

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文化祭当日、少女は黒衣の着物に白い襟巻、浅葱色でダンダラ模様の羽織を着ていた

「総ちゃん!似合う?」
「うん、とても似合ってるよ。こう見たらホント、一くんの子孫なんだね」

クスクスと笑っている沖田にちょっとだけ膨れながら笑みを返す壱華

「でも、やっぱり他の人はあーなるんだね」
「そうだねー」

2人の視線の先には壱華のクラスメイト達がいた。
その衣装はどれも確かに見たことがあるものばかりだが、体格差の問題か、違和感しかなかった。

「壱華ちゃーんそろそろ時間ー」
「あ、今行くー!じゃあ総ちゃん後でね!」

駆けていく小さな背中、それを見送った後、沖田は壱華の家族と一緒に体育館に入っていった。
暗くなった空間、舞台の上に立つ少女
遠目でもそれは凛々しく、綺麗に見えた

『いいだろう……俺も手加減はしない』

居合抜きの構えの壱華には一点の隙も見えなかった……
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