斎千前提世界用

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「土方さんが薄桜鬼?」
「そうだよ。選択肢によって攻略相手は変わるんだよ、これは。そういうものだから……土方さんのルートは一番長くて一番、消えていく命が見えるんだよ」

「じゃあ一君のは?あるんでしょ?」
「……うん。攻略対象は土方さん、総ちゃん、一くん、さの、へーすけ……あと風間。はっきり言えばね、さのと風間以外は明確に終わりが見えるんだよ……」

そう呟いた壱華の瞳から1粒の涙が零れ落ちる
それから知ってる?と沖田をようやく見上げた

「羅刹は寿命を使い果たした時、灰となって何もかも残さずに消えてしまうんだよ」
「………もしかして……一君……も?」
「うん……高祖父は遺体さえも残らなかったって曽祖父が言っていたからね……ボクね」

小さな声で呟かれた言葉、それはきっと彼女の本心で

【総ちゃんが高祖父じゃなくてよかった。だって、総ちゃんのルートは労咳と羅刹の力でいつ消えてもおかしくないから……それは土方さんや一くん、へーすけよりも強いんだよ……】

また1つ涙を落とす少女
その様子はどこか儚げで沖田は両手を伸ばしてその静かに泣き続ける小さな体を抱きしめた。
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