斎千前提世界用

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「はい、お土産よ」
「お母さんありがとー!……あのね、お母さんに相談あるの……」

帰ってきたばかりの母親に少女が相談と称して話したことは……

「ボクね、総ちゃんとの子供が欲しいの!」
「あらまぁ……まだ学生だから我慢するんじゃなかったの?」
「あのね……ボクね、総ちゃんが急にいなくなっちゃうんじゃないかって怖くて、不安で今でも泣きそうなの……だから欲しいの…」

それは少女の心からの本音だから
それが伝わったのか母親は優しく微笑み、幼さの残る娘を抱きしめる

「いいわ。子供が産まれたら私達も協力するもの。作っちゃいなさい」
「ありがとお母さん!」

この世界に戸籍のない沖田だから婚姻を結ぶことはできない。
だからこそ遺伝子が、子供が欲しいということらしい

「総ちゃん!お母さんいいって!」

腰に抱きついてくる少女の機嫌の良さからそれは事実だと認識ができて
沖田は目を細めて抱きつく腕を軽く叩く

「うん、じゃあ作ろうか。子供」
「うん!」

ちなみに、そこはリビングで兄と父は飲みかけていたお茶を吹き出していたことを恐らく2人は気づいていなかった。

「兄として妹のいちゃつきを目の前で見るのって……」
「馬鹿、父親の方が結構しんどいからな」

ぼそぼそと情けなく男2人はそんな会話をしていた。
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