2次創作いろいろ
□幼きケモノ7
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大砲の音が響き渡る
隊士達は薩長軍へ攻め入っていた
桜華は少女とともに伏見奉行所で隊士達が帰ってくるのを不安な思いで待っていた
そして少しずつ増えてくる怪我人達
手当てをし続ける少女、だが桜華は手当てができずにじっと外を見ていた
夜が来る頃、井上と千鶴は淀の城へ向かっていた
「………どうした桜華、変な顔して」
「ん……いえない………」
(いえるわけがない………いのうえさん……しんじゃうって……それにやまざきさんも……)
なんとも言えないような表情で、じっと外を見つめる
闇の中で影には頭上の耳と尾が出てくる
瞳の色は抑えているが………
「……行くぞ」
先を行く土方の後を追いながら森の中を走り抜けていくと僅かに血の匂いが流れてきた
永倉達はずっと後ろの方を走ってきている
そして、耳に届くは剣戟
桜華の眼に入ってきたのは、鬼の姿となった西の鬼と羅刹化した土方の姿
それから立ちつくしている千鶴と血の海に息なく倒れている井上
次の瞬間に見えたのは西の鬼の刀によってきられた山崎の姿だった……