斎千前提世界用
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それは、また屯所が変わり
御陵衛士が終わった頃
緊張感が高まっている時期。
基本的にそれは突然だから
子供達が千鶴の手伝いをしていた時
どこからともなくひとつの声が聞こえてきた
「壬ー、司ー」
2人はその声が耳に届くと
ほぼ同時に顔をあげて
嬉しそうに笑みを浮かべた
「「お母さんだ!」」
「え……壬君と司君のお母さんの声なんですか?」
「うん!でもなんでお母さんいるんだろ?」
「わかんない。でも間違いなくお母さんだ。…司行こ」
子供達は千鶴を1人にするわけにいかないと言った感じで手を引っ張って声が聞こえた方へと走り出す。
手が隠れるくらいの上着を靡かせ
どこか壬に似た少女とも呼べそうな人がそこにいた。
「……やっぱり、血なのかなぁ……」
懐かしそうに目を細めながら辺りを見回した時
子供達を視界の片隅に見つけ
ほっとしたように笑みを浮かべていた