斎千前提世界用
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「……やっぱりここって壬生の屯所だよね?それからさ、いつまで人の娘を抱えてるの。」
存外に早く返せとでも言ってるような言い方に
和装の彼は眉を顰めて
「自分の娘なら目を離さないでよ。で、君達は何なの?」
「こういうことは壱華の方が得意なんだけどなぁ……千草、壱華達は?」
「ママとにーちゃわかんない……」
「ちょっと、人の話聞きなよ。子の子を人質にしてもいいんだけど?」
無視されてイラ立ったらしい彼は目だけが笑ってない笑みを浮かべる
だが、それに向かい合う彼もまた……
「千草に傷ひとつつけたら僕だって許さないよ?」
「パパぁ……喧嘩しちゃだめだよ……」
泣きそうになっている小さな少女に彼らは一瞬ほぼ同時に少女を見て
泣いてないことを確認すれば軽く息を吐き出した
「千草を泣かせたら壱華が怒るんだよね……ほら、千草おいで」
「パパぁ……」
ようやく父親の腕に戻った少女は安心したようにぐずっていた
その時、屯所の中から出てきたのは
「総司、巡察から戻ってきたらさっさと報告し………総司が2人!?」
「「あ、土方さん」」
同じ顔の2人はタイミングを合わせた訳ではないのにほぼ同時に副長の名を呼んでいた。