斎千前提世界用
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それから数ヵ月後、新しい隊士を募集する為に藤堂が江戸へと向かっていった。
それは、ある意味崩壊への序章なのだということは一家しか知らない……
そんな時だった
千草が何かを感じ取ったのは。
「ママ、変な感じするの」
「変な感じ?……どの方向から?」
「んとね………あっち?」
千草が指さした方向を見て壱華は一瞬探るように視線を這わせ
すぐに納得したように息を吐き出した。
「やっぱり千草は強いみたいだねぇ……まぁいいや。」
そう言って立ちあがった壱華
千草と手を繋いで向かう先は………
「は?帰れそうって……原因は不明なんだろ?」
「原因そのものは不明ですけど、帰れそうは帰れそうなので。まぁ、いいかなと。」
壱華が千草を連れて訊ねたのは土方の部屋で
理由は千草が感じ取った答え。
「というか!千草に会わせたくない人来るし、だから帰りたいってのもあるんですけどね?」
「………おまえ、そっちが本音だろ。」
「当たり前じゃないですか。」
すごく真顔の彼女は、なによりも子供達が優先だった。
「………それでいつ帰るつもりだ?」
「総ちゃんに相談してからですけど……やっぱりあの人が来る前には帰りたいですねぇ」
あれがいつ消えるかわかりませんし、と小さく付け足して。
「まぁ、帰る時はせめて声をかけてくれ」
「わかってますよ。じゃああまり根を詰め過ぎるとはげますよ」
そんなことを言ってあっさりと副長の部屋を去っていった壱華は
そのまま宛がわれた自分達の部屋へと戻った。