斎千前提世界用
□おまけ1・後編
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「ただいまー」
「おかえりなさい、壱華に沖田さん。あの子達まだ起きてるわよ」
「ありゃ。寝てればいいのに……壬と司って綿あめ食べるかな?おみやげ」
「どうかしらね?」
家に入り、幼い我が子を抱きしめる幼い母親にそれを優しく見つめる父親
それは確かに一つの家族なのだとわかるくらい微笑ましかった。
――数年後、子供達が小学生になった最初の夏
両親である壱華は今だ幼さの残る少女で沖田も若々しく
そしてずっと新婚並みに愛し合っていたから
それについては子供達でさえ何も言えなかった
「そういえばお母さん、ボク達が1歳のときなんか綿あめ食べた記憶があるんだよね」
「うんうん!お母さんがお父さんに抱っこされて帰って来たんだよね!」
「うえ!?なんで憶えてるの……どんだけ記憶力がいいのさ……壬はともかく」
最後の言葉に怒るのは兄である司
壬はそれを抑えながらなでもないように
「でもお父さんとお母さんの仲がいいのは子供としても喜ばしいことなんだけどね?」
と、さらりと兄のことは流していた。