斎千前提世界用

□おまけ1・後編
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軽い足取りで進む道は
ほどよく手入れされているくらいで
歩きにくいわけではないが、あまり人が来ないところなのだというのは容易に想像できた。

そして辿り着いたのは
まるで木で出来た深い穴のような場所。
それくらい木によって空が狭まれていた

「ここ?」
「うん!まだ始まんないから食べよ。」
「そうだね。」

少女は辺りを囲う柵に座り
沖田はその横に凭れかかる

「はい、総ちゃんあーん」

パックからたこ焼きを1つ取って食べさせる
それから食べて食べさせて……
そうしてる間に花火は始まった。

そこから見える花火は木によって切り取られた
空の中に収まりきらないほどで
だけどもよく見えるからこそ特等席なのだということが理解できた。

「わー、綺麗だね総ちゃん!」
「うん、ホントに他の人来ないんだね。」
「うん!やっぱ大抵は花火全体で見たいもんだと思うし?」

色とりどりの光の下
それを見上げる2人
ふと、何を思ったか沖田は壱華の頬に手を滑らせる。

「……総ちゃん何?」
「うん、壱華……2人きりだから、シようか」

そう言って浮かべた笑みはいつかの悪戯をするような笑みで。
壱華はそれに頬を赤く染め、小さく頷いた
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