斎千前提世界用
□おまけ2・後編
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翌日、彼女の風邪はすっかり落ちついていた。
ピピッ、という体温計の音がしたからそれを見ればそこに表示された数字も所謂平熱で。
「やっぱり汗かいた方がいいってホントだよね」
「そうだけどさぁ……ボクとしてはやっぱり……」
そこまで行って壱華はなんでもないっと顔を逸らした。
「ねぇ壱華、やっぱり……何?」
「なんでもないーっ」
ベッドの縁に座った沖田の腕に抱きしめられている壱華は必死に顔を隠そうとしていて
沖田はその様子に軽く笑みを浮かべていた。
でも、と壱華は少し恥ずかしそうに顔をあげて
「やっぱり……するなら、総ちゃんとキス、したいから……」
そう、ボソボソと呟いていた。
それからこっちみんな、という感じに軽い力で沖田の腕を叩いていた。
「壱華ってこういう時は素直だよね」
「ボクだって貪欲だからね」
「まぁ、でもそれは夜に……ね。」
彼がそう言い終わるのとほぼ同時に寝室の扉が開かれた。