青い炎
□2話
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『ねえ、柳君』
「どうした?」
『あ、良かった。応えてくれて』
「声をかけられたんだ。応えるに決まっているだろ」
『そうだよね。いや、だってさっき開眼したり引いたり――』
「それは九条が可笑しかったからだ」
『あ、やっぱり可笑しかったんだ。ね、どうして?私何がおかしいの?』
「まあ、一言で言うとギャップだな」
『ギャップ?』
「ああ」
キンコンカンコーン――
『あ、チャイム』
「この話は終わりだな」
『う、うんっ。って支度はやっ!!』
「すまない、早く行かないと大変なことになるんだ」
『大変なことって?』
「ではな――」
『あ、行っちゃった』
あの不思議な朝のHRが終わって暫くは自分で考えをまとめていたけれどやはりわからないと思った私は、4限めが終わりに近づいた時に思いきって隣の席の柳君に声をかけた。そしたら少し話が出来たんだけどすぐに授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、柳君は素晴らしいスピードで授業道具を鞄にしまい、その鞄を肩にかけて、あっという間に教室から出ていってしまった。、、、どれだけお昼ご飯が楽しみなのかしら?あれ?そういえば大変なことになるって言っていたんだっけ?どういうことだろ?ま、良いか。私もお昼食べよう。
「九条さん」
『あ、はい?』
お弁当を取り出そうとした時、なんとも可愛らしい女の子が私に声をかけてきた。
「一緒にお昼食べない?」
『うん!!ありがとう』
「私は南有栖。よろしくね」
『よろしく。私は、、、ってさっき自己紹介したばかりだからわかるよね?』
「うん。インパクト大だったしね」
『インパクト?』
「そ。あ、机くっ付けよ」
『ああ。だね。』
『それで、インパクトって?さっきは柳君にギャップとか言われたし、意味わかんないんだけど』
「柳の言う通りギャップがあってインパクト大だったってこと」
『?』
「だから転入生がかなりの美人でスタイル抜群で、しかも姿勢がめちゃくちゃ良くてキレイなお辞儀をしたかと思えばいきなり制服着崩して最後には暴言吐いたからそのギャップでインパクト大だったのよ」
『いやいやいやいや。最後の方はまあ事実だけど最初の美人とかスタイル抜群とかはあり得ないよ』
「自覚なしな感じなの?」
『言われることはあるけどそんな満場一致みたいなことはないよ。クラス全員がそんな風に思うわけない』
「それも事実なんだからどうしようもないじゃない」
『えー、じゃあ私転入初日からみんなに引かれちゃったね。これからどーしよー』
「ま、大丈夫よ。引いただけで嫌ってるわけじゃないんだし」
『そーだよね。南さんは話しかけてくれたしね』
「ぶっ!!ちょっと、南さんとか止めてよっ!!」
『え?ごめんごめん。いきなり呼び捨てはどうかと思ったから。有栖、で良い?』
「勿論、蘭華」