青い炎

□4話
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さて、今日は土曜日、国光に会いに行く日だ。昨夜電話していた相手、国光というのは私のもう1人の幼馴染みで手塚国光。東京の青春学園に通う3年で、テニス部部長をしている。国光のお祖父さんは弦一郎のお祖父さん――師匠と同じ警察官だった関係で、よく道場にも来ていた。私が初めて叔父様に会ったのも道場で稽古をつけてもらっている時だった。そしてその後何度か道場で会って、親しくなった私にある日、叔父様は国光を紹介してくれたんだ。確か小学3年の時だったかな。それからは時々国光も道場に来てくれて、一緒に遊んだ。たまに私がテニスに付き合ったり、国光に剣道の相手をしてもらったり、、、まあ、見た目からできそうな感じはするけど国光の構えはかなり様になっていた。

私が東京に引っ越してからも国光はいろいろと世話を焼いてくれた。なんていうか、お兄ちゃんって感じ。何度も買い物に付き合ってもらったり、私の両親が仕事でいない時は、国光の家にお邪魔したり2人で外食したりした。
、、、ついこの間までそうしてたのになんだか懐かしいな。こっちに引っ越してきて1週間しか経ってないのに、これじゃあ先が思いやられる。




私は日課のランニングを終わらせ、シャワーを浴びた後、軽く朝食を食べてから駅に向かった。


ランニングは以前住んでいた時に走っていたのと同じコースを走っている。最後に神奈川に来たのは2年前だけど東京に引っ越してから道場に通っていた時は、時間がなくて駅から道場まで真っ直ぐ行き来してたから、コースを走るのはかなり久しぶりだ。

だけどふと、東京にいた時はよくランニング中に、同じくランニングをしている宍戸や長太郎君に会っていたなあと思い出すことがある。
いや、国光のこともだけど懐かしむのが早すぎじゃないか、私。早くもホームシックだな。今日東京に行ったら帰ってきたくなくなってしまいそうだ。気を付けよう。


青春学園――略して青学と呼ぶのだけど、その青学は最寄りの青春台駅から20分、忘れ物をして途中で買い物をするかもしれないから40分と見積もると11時20分には駅に着いていたい。そして家の最寄り駅から青春台駅までは40分。でもなにか事故があった時のために1時間として、、、。家から最寄り駅までは10分だけど工事とかしてたら遠回りしなきゃいけないから30分として、更になにかの事故に巻き込まれてしまうかもしれないから、、、だいたい2時間半の道のりだと考えて、私は9時半に家を出発した。




――東京に着いたけどまだ10時40分、、、何事もなくここまで着いた。学校に着いても1時間暇になっちゃうな。早いにこしたことはないけど。なんだろ。いろいろと不測の事態を考えて予定に予備の時間を含めちゃうんだよね。氷帝にいた時は景吾がいつも、俺様が1番って言ってて、2人して待ち合わせにとんでもなく早く着くってことがよくあった。それで他のみんなが待ち合わせ時間の15分くらい前に着くと景吾がめちゃくちゃ怒るからある時忍足が

“待ち合わせ時間の意味ないやん。そないにゆうんやったら自分、俺らのこと家まで迎えに来てーな”


って冗談で言ったら景吾が

“あーん?仕方ねえなあ”

って本当に迎えに来るようになったんだよね。毎回毎回リムジンで迎えに来るもんだから宍戸がいつも、激ダサだぜって言ってたな。

、、、いけない。だから懐かしんじゃダメなんだって、私。


切り換えよう。さて後1時間どうしようかな、、、。
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