青い炎
□12話
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side 柳
昨夜弦一郎が倒れた。氷帝の樺地と偶然近くを通った青学の河村が弦一郎を医務室へ連れていった。
それから俺達は消灯の時間まで順番に弦一郎の側についていたが目を覚ますことがなかった。そのまま3日めの練習が始まったのだ。
切原「真田副部長、大丈夫ッスかね」
柳生「真田君が倒れてしまうことなんて滅多にありませんからね」
丸井「滅多にってか初めてだろぃ」
ジャ「しかも全然起きる気配ないしな」
幸村「真田は大丈夫だよ。みんな、片付けが終わったんだから早く食堂に行くよ」
午前の練習はフリーで午後にトーナメントをやって終わりになる予定だ。俺達は各自で練習をしたり試合をしたりしていて、先ほど跡部から放送がかかり昼食のために食堂に向かっている。
丸井「ん?真田じゃん」
仁王「本当じゃ。真田。もう大丈夫なんか?」
真田「ああ。昨夜はすまなかった」
柳生「真田君、食事はとられましたか?」
真田「さっき起きてな、側にいた跡部の家のメイドが食事を作ってくれた。しかし跡部に会ってなくてな。、、、話を聞こうと思ったんだ」
柳「そうか、、、」
幸村「昨日から思ってたんだけど蓮二、なにか知っているのかい?」
柳「ああ。だが俺の情報はあくまでも情報だ。跡部達に直接聞く方が良い。俺もよくわからないことが多い」
俺達が席に着くとすぐに氷帝と青学メンバーが食堂に入ってきた。
跡部「、、、真田、大丈夫か?」
真田「大丈夫だ。それより話を、、、いや、昨日俺を運んでくれたのは、、、」
弦一郎も動揺しているのだろう。これから幼馴染みの知らないことを知ろうとしているのだから。
ジャ「氷帝の樺地と青学の河村だぜ」
真田「そうか。樺地、礼を言う」
樺地「ウス」
河村「あれ、真田。もう大丈夫なのかい?」
真田「河村、昨夜はすまなかった」
河村「気にしないでよ。さすがの樺地君でも真田は持ち上げられなさそうだったからね」
樺地「、、、ウス」
本当に良いタイミングで来てくれた。樺地が何歩か歩いて無理だと言った時はそこにいた全員が樺地でも無理なら俺達の誰も持てない、と思った。そこに河村がなんの前触れもなく現れたんだ。
桃城「あれ?真田さんいるじゃないっすか」
手塚「真田、、、」
真田「手塚、お前は知っていたのか?」
手塚「俺も気付くのが遅すぎた。、、、守ることもできなかった」
真田「、、、話を聞かせてくれないか」
跡部「ああ。俺から話すぜ」
柳「その前に、みんな座らないか」
氷帝と青学、弦一郎は立ち上がっていて、入り口から入れない人もいた。みんなが席に着いてから真田がもう1度跡部を促した。
跡部「ああ。まず、2年の時の選手権のことは知っているか?」
真田「決勝戦の前に控え室で休んでいたところにロッカーが倒れてきたんだろう?」
跡部「そうだ。だが、表面上は事故だと処理された。」
真田「表面上?」
跡部「事実はあいつを妬む他の出場選手が故意にやったものだ」
真田「なに!?」
桃城「――なぁ、越前。この話を俺らが聞いてて良いのかな?」
越前「でも聞きたいっす。九条さんって俺らにとっても他人じゃないっすよね」
大石「そうだよな。手塚、話中すまないが、その話、俺達が聞いてて良いのかい?」
手塚「ああ。蘭華のことはお前達も気にかけていてくれてたからな」
大石「そうか、ありがとう」
跡部「、、、」
手塚「真田、怪我のことはなんと聞いている?」
真田「完全に治っているがずっと庇っていたためか今でも時々痛いと思ってしまうことがある、と」
跡部「嘘だな」
手塚「正確には、その時の怪我は治っていたがリハビリ中にさらに腕に負荷をかけてしまったから今でも本当に痛い、だ」
真田「その負荷というのは?」
跡部「いじめだ」
真田「、、、」