青い炎
□14話
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南「おはよー蘭華」
『あ、おはよー!!』
南「部活の入部届、貰いに行こっか」
『そーだね』
昨日有栖と今日の朝に入部届を書いて放課後からマネージャーを始めようと話していた。職員室に入部届を貰いに行き、教室に戻った。
『これでオッケーだね』
南「ところでどうやって精市に渡す?教室に行って渡すと目立って即いじめ開始だよね」
『もう昨日からいじめ始まってんじゃん』
南「それもそっか。放課後になればみんなにわかることだし」
「入部届は俺が渡しておく」
『あ、柳君』
南「良いよ柳。自分達で渡しに行くから」
柳「いや、そう決めたんだ」
『じゃあ柳君、お願いできる?』
南「ええー」
『余計な刺激はしない方が良いよ、有栖』
「そっかー?」
柳「そういうことだ、南。では昼休みに精市に渡しておくからな」
『うん。よろしく』
入部届は柳君に任せて私達は机の中のごみ撤去作業にとりかかった。
南「見て見て、再利用だね。プリントの裏に文字書いてるよ」
『本当だ。そのうち答案用紙が入ってくるかもね』
「それじゃ名前と点数丸わかりじゃん」
『あ、そっか。じゃあ私の答案用紙あげよっかな』
「蘭華の答案はほぼ満点やもんなーって、なんでやねん!!」
『おーさすが。大阪に従兄弟がいる人はノリツッコミが上手いんだね!!』
「大阪にいる従兄弟には私会ったことないんだって」
『あれ?そうだったっけ?』
「母親もあんまり大阪弁喋らない人だったし」
『あれま』
「なに、その反応。柳も。なにデータとってんのよ?てか話してなかったっけ?」
柳「初耳だ」
『柳君、ノート見せてー』
柳「駄目だ」
『ケチ』
南「ダメダメ。柳は誰にもそのノート見せたことないもん」
『1回も?』
柳「1回もだ」
『うっかり他のノートと間違えて人に貸しちゃったりとかは?』
柳「そんなことをするのはお前くらいだろう」
『そんなことないよ!!みんなよくやる失敗だよ!!』
柳「そんなはずな――」
ジャ「そういえばブン太。お前この前俺に返したノート、別の教科だったぞ」
丸井「え?まじかよぃ」
ジャ「しかも漢字ミス多すぎ。直しておいたぞ、ほら」
丸井「おっ!!さすがジャッカル!!」
柳「、、、」
『ほらね』
廊下を通った丸井君とジャッカル君。それにしても本当にジャッカル君は良い人なんだな。あ、丸井君教室まで走ってノート取りにいってる。かわいいなあ、まったく。
南「ジャッカルは切原君にもあんな感じだよ」
柳「赤也の方が厄介だ。喧嘩っ早いからな」
『でも切原君、良い子だよね』
南「ん?」
『前に私、大泣きしてたことがあって、偶然通りかかった切原君が凄い必死にどうにかしようとしてくれたんだ』
柳「結局俺に助けを求めてきたがな」
『え?いつ??』
柳「お前が俺に電話をかけてくる5秒前まで赤也は俺と電話していた」
『うっそー!!』
柳「やはり気付いていなかったのか」
『うん、まったく』
驚いた。あの時は弦一郎にメールを送るのに必死だったから気付かなかった。そういえばあの時のお礼、切原君に言ってなかったな。
この後すぐにチャイムが鳴り、SHRが始まった。
そしてあっという間に放課後になった。