青い炎

□15話
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翌朝の部活も終わり、教室では私と有栖が、もらった手紙を1つ1つ読んでいた。

南「とりあえずこの昼休みのは行く?」

『そうだね、言いたいことは言わせてあげよっか』



その後今日もごみの撤去作業にとりかかる。



「ちょっとそこの2人」

『でもさ、私達が捨てちゃうからあんまりエコになってないよね』

南「私も思った。使いまわしにしたらどうだろ?」

『えー、それってどうなの?』

「ちょっと!!」

南「そういえば昨日精市に変なことされなかった?」

『変なことってなによ?別になにも。ただ、、、うん。幸村君はやっぱり優しいね』

南「なにそれ、、、?」

「聞こえてんだろ!!南有栖!!九条蘭華!!」


あ、やっぱり私達を呼んでたのね。


南「最初から名前を呼びなさいよ。で、なに?」

「ちょっと来て」

『どうする?』

南「ま、行くか」

柳「待て」

「ッ!?柳君!!」

柳「もうお前達がなにをするかわかっているんだ」

「な、仲直りよ。仲直りしようと思ったの」

丸井「そんなわけねえだろぃ」

「ま、丸井君、、、」

そのまま彼女は立ち去って行った。

南「別に行っても良かったのに」

丸井「そう言うなよぃ」

柳「今後一切呼び出しには応じるな」

『わかった。ありがとう』

南「蘭華、聞き分け良すぎじゃない?」

丸井「南も見習ってくれよぃ」

柳生「そうですよ。もう少し危機感を持っていただかないと」

南「あれ、柳生。なんか久しぶり」

『え?部活で会ってるじゃん』

柳生「昨日の放課後は評議会の後用事が会ってすぐに帰ってしまいましたし、今朝の練習も休んでしまいましたからね」

『はい?』

なに言ってるのかな?昨日の放課後は柳君と弦一郎と一緒に途中参加したし、今朝も練習してたじゃん。

南「どっちも雅治よ」

『え?』

柳「そういうことだ」

『そういうことってどういうこと!?』

柳生「仁王君、いました?」

『今朝はいなかったけど昨日の放課後はいたよ』

柳生「最後までですか?」

『ん?そういえばいなかった、かも?』

南「そういうことだよ」

『えっ!?ってかなんで仁王君が柳生君になれるの!?』

柳「仁王はたまに柳生と入れ替わって試合をするんだ。それを完璧なものにするために日常でも2人が入れ替わることがよくある」

『ええー、、、。でもどうして昨日と今日に入れ替わってたの?』

丸井「まあ気持ちはわからないでもないけどな」

柳生「南さんに自身の姿で会いたくなかったのでしょう」

『どういう意味?あれ?でも有栖は気付いてたんだよね?』

南「当然よ。みんなだって気付いてたし」

『えっ!?そうなの!?』

柳「ずっと一緒にいればわかるさ」

丸井「俺なんか2年の時からクラスも同じだしなっ」

『なにも言わないの?』

柳「さっき丸井が言ったように気持ちはわかるからな」

『、、、みんな仲間なんだね』

丸井「そりゃそうだろぃ」

南「まあ、雅治はそんなにも私に会いたくないってことだよね。入れ替わったって意味ないのにさ」

『それは違うと思うんだけど、、、』





でもそれから仁王君は部活に来なくなった。放課後も朝練も。授業にもたまにしか出てこない、と丸井君は言っていた。仁王君が私達の前に姿を見せなくなってから2週間が経った。

最近は、“もういい加減に出てこないと県大会をどうしようか”と幸村君が嘆いている。



幸村「ねえ、いい加減話してくれない、有栖?」

南「なんでよ。私が話すのと雅治が部活に出てくるのと、まったく関係ないじゃん」


放課後、練習を終えたばかりの部室はピリピリしていた。主に幸村君と有栖が原因で。ここ何日か、ずっとこの調子だ。


柳「まあ、今日はもう帰らないか、精市。」

幸村「そうやって甘やかすから有栖は言わなくても良いって思うんだよ」

南「甘やかす?別に甘えてなんかないわよ!!話す気がないんだからいつまで経っても私は話さない!!」


そう言って有栖は部室から出て行った。


翌朝、遂に有栖は誰とも口を利かず幸村君もかなりイラついていた。


切原「どうします?部長達」

ジャ「今までで一番悪い状態かもな」

柳生「仁王君も全然見ませんし、、、」

丸井「仁王のやつ、学校も朝のSHLにしか顔出さなくなってる。どこにいるかわからねえよぃ」

『本当、どうしよう、、、』

『「「はあ、、、」」』

幸村「練習はここまでっ!!」

全「お疲れさまでした!!」
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