青い炎

□21話
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『弦一郎!!』

真田「蘭華、今日もご苦労だったな」

『弦一郎もお疲れ様!!ところであの話はどうなった?』

真田「今週末で良いか?」

『今週は休みないんじゃないの?』

真田「日曜日は午前で終わるぞ」

『あ、そっか。じゃあそれからで良いの?』

真田「大丈夫だ」

『わーい、楽しみ!!』



ずっと師匠に会いたいって思ってたから弦一郎に師匠に会えないか聞いておいてもらっていた。弦一郎にはあの日から毎日少しずつ会っていなかった間のことを話している。国光のこと、氷帝のみんなのこと――。弦一郎は立海の私が知らないみんなのことをたくさん話してくれた。


真田「ジャッカル、今日も蘭華のこと、頼んだぞ」

ジャ「お、おう」

丸井「思いっきり蘭華の父親じゃねーかよぃ、なあ赤也」

切原「は、はあ、、、それよりこっちをどうにかしてほしいッス」

幸村「ね、柳もそう思うだろ?」

柳「あ、ああ。そうだな」

南「男じゃないわね柳。ガツンと精市に言っちゃいなさいよ。そういうことは本人に言えって」

幸村「あんなに楽しそうに真田と話してるのに邪魔できるわけないだろ」

南「いつもならそんなこと気にしないくせに」

柳「仕方ないだろ。もう振られてしまったんだから」

『誰が?』

南「精市よ」

『誰に?』

南「それはもちろん――ぎゃあ!!」

幸村「やあ、九条さん。どうしたんだい?」

『いや、普通にバイバイって言ってるのに誰も聞いてくれないから近くまで来ただけだよ』

幸村「ああ、そうか。ごめんね」

『ううん。幸村君』

幸村「なんだい?」

『諦めないでね』

幸村「え?」

『私、幸村君だけを応援することはできないけど、こっそりなら良いかなって』

幸村「え、だからなんのこと――」

『大丈夫。きっといつか思いは届くよ!!』



幸村君があんなにも有栖のことを引きずっているとは思わなかった。しかも本人に応援されてるなんて、、、。なんかかわいそう、、、。だから私だけでも幸村君の有栖への恋心を応援してあげるんだ!!





『っていうわけで、どうすれば良いと思う?ジャッカル』

ジャ「結局俺かよ、、、。それにしても幸村が南のことを好きだなんて聞いたことねぇけどな」

『それは幸村君が隠してきたからだよ』

ジャ「ってかその幸村が隠してきたことをお前があっさり俺に言っちまって良いのかよ?」

『はっ!!』

ジャ「馬鹿だろ」

『ジャッカルがそんな酷いこと言うなんて!!お母さん悲しい!!』

ジャ「俺は息子かよ」

『ごめん、それはないね。もう1回。妹悲しい!!』

ジャ「なんだそりゃ、、、」

『んー、、、なんか違うね。やーめたっ』

ジャ「まったく、、、。でもそれならお前は良いのかよ?」

『え?なにが?』

ジャ「幸村が南のことを好きで良いのか?」

『私?なんで?別に良いんじゃない?』

ジャ「そ、そっか。なら良いんだけどよ」



なんだ?変なジャッカル――。




『あ、そうだ』

ジャ「どうした?」

『ちょっとね、、、でもジャッカルに言うことじゃなかったから良いや』

ジャ「なんだよ、気になるから言えよ」

『さっきはさ、幸村君のことを応援してたけどやっぱり今現在付き合ってるのは有栖と仁王君でしょ?でも有栖の話を聞く限りじゃあの2人、なにもカップルらしいことをしてないのよ』

ジャ「へぇ、、、」

『ほら、ジャッカルに言っても全然話にならないじゃん』

ジャ「真田に言っても無駄だろ」

『まあ、弦一郎は恋愛に疎いからね』

ジャ「お前が言えるか?」

『私は相手がいれば恋愛ぐらいするよ』

ジャ「相手がいれば、ねぇ、、、」

『なんか今日のジャッカル感じ悪くない?』

ジャ「いや、そんなことねぇよ」

『うーん。テニス部の中で1番恋愛の相談をしやすいのって誰だろ、、、』

ジャ「あー、仁王だろーなぁ」

『当事者に相談してどうすんの』

ジャ「ま、そうだし、仁王も自分のこととなると上手くいかないみたいだからな」

『ブン太は、、、食べ物のことにしか興味なさそうだよね』

ジャ「いや、ブン太はいけるかもしんねーぞ」

『なんで?』

ジャ「ブン太は甘い物が好きだから女子とわりと話が合うんだ。ファンクラブの女子じゃなければ前は普通にいろんな女子とそういう甘い物の話してたぜ。女心ってのもわかるんじゃねーか?」

『、、、うん、いけるかも!!』



――――――――――



『やっほ、ブン太』

丸井「お、珍しいじゃん。蘭華がこっちまでくんの。なんか菓子くれんの?」

『なにもないよ』

丸井「なんだよぃ、、、」

『仁王君いる?』

丸井「仁王?あー、いねぇ。どっかでさぼってんじゃね?」

『良かった』

丸井「なんだ、仁王に用事じゃねーのかよぃ」

『違うよ。仁王君に聞かれたらまずいから』

丸井「な、なんだよぃ、、、」

『そんなたいしたことじゃないよ。ブン太にちょっと有栖と仁王君のことで相談があるんだ』

丸井「仁王と南?」

『うん。あの2人さ、付き合って2週間経つのになんにも恋人らしいことをしてないのよ』

丸井「あー確かにな」

『だからブン太ならなんかどうにかできないかなーって思ったんだ』

丸井「俺に言われてもなぁ、、、」

『ブン太なら女心がわかるかもってジャッカルが言ってたんだけど、、、』

丸井「はあ?わかるわけねーだろぃ。だいたいお前が女なんだから俺が女心わかっても意味なくね?」

『は!!確かに、、、』

丸井「馬鹿だろぃ」

『ま、良いじゃん。ね、なんか適当で良いから考えて?』

丸井「無茶言うなよぃ、、、。んーじゃあこれは?名付けて―――」

『名付けなくて良いから早く』

丸井「お前最近酷くね?」

『そんなことないよ。で、なに?』

丸井「仁王に怪我させて南に看病してもらう」

『えー、、、大会前に怪我させるなんてマネージャーとして認められないよ』

丸井「ちょっとだけなら大丈夫だろぃ」

『そうかなぁ、、、』




そして放課後―――――




『今いけるんじゃない?』

丸井「よし、行くぞ。おーとっとっとっと!!仁王っ、危ねぇ!!」

仁王「ん?おっと、、、ブンちゃん、危ないナリ」

丸井「お、おう」

仁王「気を付けんしゃい」

丸井「おう。悪かったな」

真田「丸井!!なんだ今のは!!たるんどるぞ!!」

丸井「わ、わりぃ!!」

『ちょっとブン太、今のなに?なにがしたかったのか、さっぱりわからないんだけど?』

丸井「悪かったって。ジャッカルのボールをわざと取りそびれて後ろにさがったところで、仁王とぶつかろうと思ったんだけどよぃ、、、」

『なに受け止められちゃってんのよ、、、』

丸井「だから悪かったって」
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