青い炎

□27話
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ガシャーン――





辺りには食器や家具、こっちに持ってきていたいくつかのトロフィー、家にあるもの全てが散らばっている。私がぶちまいた。



なんで行動はめちゃくちゃなのに頭は冷静なの?いつもそう。頭ではこんなことダメだってわかってる。もうなにも考えたくなくても考えちゃう。悪いことしか考えられなくても気絶しない限り思考が止まらない。


みんなに嫌いだって言ってからずっとこう。私も別に死にたいわけじゃないからジャッカルが買ってきてくれたゼリーとか簡単に食べられる物を口にして、動ける身体になったら家にあるものを床に叩きつける。体力がなくなったらまたなにか口にして、その繰り返し。あれから何日経ったのかわからない。関東大会は終わったのかな、、、勝ったのかな、、、負けちゃったかな――。



バンッ――



負けたら私のせいだ、、、私の――




“台風11号は風速を弱めることなく本日13時頃関東地方に直撃するでしょう。関東地方の方は厳重に警戒し家から――”




台風、、、?


テレビのリモコンを投げるとその拍子にボタンが押されたようでテレビの電源が付いた。



天気予報が台風情報を伝えて初めて台風が来ていることを知った。



、、、台風はダメだよ、、、



ジローが怖がるから、、、


ジローは台風や雷や地震を過剰に怖がるから、、、




行かなきゃ、、、




私がジローを守ってあげなきゃ、、、







私はドアを開け放ち、マンションから出て駅に向かう。





“台風の影響で本日は全ての運行を見合せております――”




『――ッ』



私は走ってジローの元に向かった。







―――――



『あれ?ジローどうしたの?』

芥川『だって台風だよ、、、』

『家にいるから大丈夫だよ。ね、宍戸』

宍戸『こいつ昔から台風とか怖がるんだよ』

『そうなの?』

芥川『台風も、、、雷も、、、地震も、、、』

宍戸『そういうのに異常な反応するんだ』

『こんなに震えて、、、。ジロー、大丈夫だよ。私がいるからね』

芥川『怖いよー!!』

『大丈夫。私がずっと守ってあげるからね。だから泣かないで』

芥川『蘭華ー!!』

『大丈夫、大丈夫』




――――




台風はもうすぐそこに来ているみたいで大雨が降っていてなにかの板が宙を舞っていて――前に進むのもやっと。それに今の私はまったく体力が残ってない。



ジローを守りたい一心で東京へと向かう。





――――


『なんでこんなに、、、?』

宍戸『さあ?幼稚舎の時からこうなんだ』

『音、、、が大きくて怖いとか?』

宍戸『自分でもわかんねぇらしいからなあ』

『そっか』

宍戸『ま、そのうち直るだろ』

『酷くない?こんなに怯えてるのに、、、』

宍戸『寝てるぜ』

『え?あ、本当だ』

宍戸『お前に腕の中で安心したんだろ』

『あはは、本当かわいいなジローは』

宍戸『でもこの前の台風までは本当に怯えてたぜ。岳人があやしてもずっと怖がってた』

『がっくんがあやしたの?がっくんがあやされる方じゃん』

宍戸『ジローも岳人もだろ』

『2人ともかわいいなー』

宍戸『2人が聞いたらまた怒るぜ。同級生のしかも女にそんなこと言われたくないって』

『かわいいんだもん。それにジローは怒らないよー。ねー?ジロー』

芥川『、、、ムニャ、、、蘭華、、、ずっとそばにいて、、、』

『いるよ、ずっと。ずっとジローは私が守るから――』



――――




何時間も走り続けてジローの家までたどり着いた。




『、、、ジロー、、、』



ジローの家の窓からジローが宍戸と真剣な顔で話している姿が見えた。




良かった。考えたら中学3年生だもんね。もう台風を怖がったりしないか。




でも今も宍戸があの時と同じくそばにいる。




私がいなくてもなんの問題もないんだね。




私が守る必要なんて、、、なかったね―――




バタンッ――――
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