青い炎

□1話
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「九条?だ、大丈夫か?落ち着け、そうだ深呼吸しろ深呼吸」

『大丈夫ですよ。ただ先生、もうちょっと指導をしっかりした方が良いですよ。まあ、まだ新学期が始まって日も浅いですし、仕方がありませんね。それにしても、日本人は黙っていれば良いと思ってるからいけませんね。もう何年も前から言われているのにはっきりとものを言う習慣がないのはやはり日本の学校教育に問題があるのでしょう。いえ、前の学校ではそうした授業もカリキュラムに入れていましたから、一概には言えませんね。是非この学校でも取り入れてみたらいかがでしょうか?ディベートをしてお互いの考えを述べたり聞いたりすることはその論争の勝ち負けに関わらず非常に良い経験になるものですよ。』


「あ、ああ。そうだな。よし席に着け。席は柳の隣だ。」

『わかりました』


柳というのは開眼君のことね。隣の席が空いてるのは彼の隣しかないもの。


『よろしくね、柳君』

「、、、ああ。」


凄く引いてるのは私の気のせいかしら?いえ、きっとそうじゃないわね。さっき大声で『開眼ヤロー』なんて叫んでしまったから引いてるのよね。申し訳ない。だってこのクラスの人たちが意味わからないんだから仕方ないわよ。未だにクラス全員がどうして挨拶した人に対してあんなに無礼な態度をしていたのかさっぱりわからないもの。
あー、私このクラスに馴染める自信がないわ。いっそ、私も人の話を聞いてポカンって顔をする練習でもしようかしら?


私はこのあと平常心に戻った柳君がノートに物凄いスピードで何かを書いたのを見ていなかった。
《九条蘭華。クラス全員が呆気にとられるほどの和風美人。天然。怒ると人が変わる。》
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