青い炎

□5話
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『それより国光、みんなに話があったんじゃないの?』


手塚「ああ。みんな、1週間後合同合宿を行うことになった。参加校は青学、氷帝、立海の3校だ。期間は3日。月曜は公欠扱いになる」

菊丸「うわー立海もいるのかー」

大石「こりゃ大変。凄く刺激になるな」

海堂「フシュー」

桃城「そりゃあ負けるわけにはいかねーなーいかねーよ!!」

河村「俺も頑張らなくちゃな」

乾「良いデータがとれそうだ」

不二「フフッ、楽しみだな。ね、越前?」

越前「、、、っす」



へー、今頃氷帝のみんなも気合い入りまくってるんだろうな、、、。



手塚「蘭華。これからどうする?」

『んー、練習って何時まで?』

手塚「5時までだ」

『じゃあ終わるまで買い物にでも――』

菊丸「え?蘭華ちゃん、見てかないの?」

『え?だって邪魔でしょ?』

桃城「全然そんなことないっすよ!!」

『え?そうなの?』

手塚「ああ。なにか買いたいものがあったのか?」

『ううん。別にたいしたことないものだし。今じゃなくても良いの』

菊丸「良かった!!だったらベンチがあるからそこに座って見ててよ」

『うん、じゃあ、ごめんね。お邪魔します』



私は部室の前にあるベンチに座ってフェンス越しにテニスコートを見ていることになった。


手塚「これより練習を再開する!!レギュラーは練習試合、それ以外の2、3年は――」



さあ、みんなは練習を再開した。あれ、もしかして、いやもしかしなくてもさっき私がキレてしまった1年生が昨日国光が言ってた子だったみたい、、、。っていうか私はどうしようかな。ドリンクを作ろうかなって思ったけど私の隣に乾特製野菜汁と書かれたタンクが置いてある。へー、青学では給水に野菜汁を飲むのか。まあ、とにかく用意されてるんなら必要ないか。


乾「君も飲むかい?」

『ん?なんだ、眼鏡君か。ううん、みんなのための物なのに私が飲んじゃダメでしょ』

乾「乾貞治だ。そうかい?ところで九条、立海に転入したんだってな」

『乾君ね。うん、そうだよ。ってか元を、、、知ってるのか。国光から聞いてたんだもんね』

乾「立海に柳蓮二という男がいるんだが、知ってるか?」

『柳君?知ってるよ。同じクラスで隣の席なんだ』

乾「そうか。蓮二には気を付けた方が君には良いかもしれない」

『え?どういうこと?』

乾「あいつは俺の幼馴染みでね。同じデータテニスをするんだよ。テニスだけじゃなくていろいろな人のデータも集めている。恐らく蓮二も全校生徒のデータを持っているだろうな」

『なんだそりゃ。ってことは乾君も青学の全校生徒のデータを持っているんだ?』

乾「ああ」

『うわー。あ、それで柳君がどうしたって?』

乾「君の過去を調べようとする確率97.2%だ」

『、、、はい?』


ちょっと待って。私の過去って――。


『、、、国光から聞いたの?』

乾「いや、俺が調べたことを手塚に話したんだ」

『!?』

私は驚いた次の瞬間には乾君に掴みかかろうとしていた。


手塚「蘭華。少し聞いてくれ」

『、、、国光』

どうして?どうして知らない人が勝手に私のことを調べて、私が知られたくなかった国光に話してるわけ?ありえない、初めて人に殺意を抱いた。国光が来てくれなかったら私、どうしていただろう、、。


手塚「落ち着いたか?」

『う、うん』

手塚「蘭華、俺が初めてお前にあのことに関して聞いた時のことを覚えているか?」

『、、、なんとなくは』


私が氷帝に通ってまだ剣道をやっていた時から、国光は私に氷帝での生活のことを聞いてこなかった。勿論私から話せば聞いてくれるんたけど国光から聞いてくることは全くなかったんだ。国光が聞いてくるのは剣道についてと成績のことと家族のこと。どうしてか聞いても、理由はない、としか答えてくれなかった。

だけど私が怪我をして、4ヶ月の入院の後退院して学校に戻ってからしばらく経った時に、国光の家で―――


『蘭華』

『ん?どうしたの、国光』

『最近学校生活はどうだ?』

『なに?初めてだねー。国光が私に学校のこと聞くなんて。でもなんかあれだね。国光が聞くとなんかお父さんに聞かれてるみたいだよ。反抗期の女の子なら、別に普通とかって答えるんだろうね』

『蘭華』

『はいはい。国光はお父さんじゃないからね。ってか私、お父さんにもまだ反抗してないけどね。普通に楽しいよ』

『本当か?』

『なんで嘘つく必要があるのさ』

『俺に心配をかけたくないと思っているからではないか?』

『っ!!』

『腕を見せろ』

『い、嫌っ!!』

『蘭華』



それまで聞いたことがないほどのいつも以上に低い声で名前を呼ばれた私は驚いて、抵抗していた手を止めてしまった。

私が抵抗を止めてから国光は私の左腕を掴んだ。その手には全然力が入っていなかったけど、私は小さく悲鳴をあげた。

私の腕は折れていたから――


国光に連れられて病院に行き、2度めの手術を受けた。その後から私の左腕が被害を受けることはなくなった――
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