青い炎
□6話
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5月の終わりに怪我をして、6月から9月までの間学校を休学し、リハビリ施設に入院してリハビリに専念した。そして竹刀を軽く振れるようになり、日常生活にも支障が出ないと判断してから、私は学校に復学した。
学校に着くと下駄箱にあるはずの上履きが無くなっていた。偶然一緒に来ていたがっくんに、休学中に持って帰ったんじゃねーの?と言われて、そうだったかもと思い職員室からスリッパを借りて教室に行った。
廊下を歩いているとあちらこちらから視線を感じた。けど、入院してたんだから当たり前だと思って気にしなかった。教室に入り、近くにいたクラスメートにおはようと声をかけた。なにかしら返事が返ってくると思ったけどその子は返事をしてくれなかった。そこで私はおかしいことに気が付いた。でもどうしてかはわからなかった。私が怪我をしたのは2年の5月。新学期が始まったばかりでそんなに友達と打ち解けていなかったからかもしれないと思ったけど、どうやら違うみたいだった。1年の時に同じクラスだった人も何人かいるのにその子達も私のことを無視していたんだ。
景吾に相談してみようと昼休みに景吾のクラスに行き、ドアの前で呼ぼうと口を開いた瞬間、誰かに肩を叩かれた。振り返ると朝に私を無視した女の子がいて、怪我は大丈夫かと聞いてきた。
さっきのは気のせいだったのかと思った私はそのままその子と教室に戻ろうと思ったのだが、そう思った時にはもうその子の姿は無くなっていた。
気のせいだったと安心していた私だったが、放課後に知らない女の子に呼び出された。場所は屋上で、私が行くとそこには女の子が4人いた。3人は知った顔、1人は知らない女の子。私を呼びにきた女の子がその子達の側に行った。そして次の瞬間から私の長くて苦しい時間(とき)が始まった。
“もう剣道部辞めてよ”
剣道部で仲の良かった千明
“テニス部と関わるのも止めて”
いつも私がする景吾の話を楽しそうに聞いてくれていたテニス部のファンクラブ会長の麗美
“美人だからって調子に乗ってるんじゃないわよ”
1年の時に同じクラスで特別仲の良かった早紀
“みんな今まで嘘で友達やっててあげただけよ”
嘘?う、そ、、、止めてよ。それが嘘だよ、、、。
“あんたなんかあのまま死んじゃえば良かったのに”
止めてっ!!
『千明っ!!私のことよく思ってない他校の子に文句言ってくれたじゃん。剣道部辞めてって、怪我人の私は邪魔だからっ!?』
千明『は?なに勘違いしてんの?怪我してようがしてまいがあんたは邪魔なのよ』
『えっ、、、。麗美、私だから景吾達と一緒にいても許せるって言ってたよね!?』
麗美『なに言ってるの?嘘に決まってるじゃない。最初からあなたなんて目障りで仕方なかったわ』
『そ、んな、、、。ねえ、早紀!!』
早紀『景吾様と仲良くしているあなたに、本当に友達がいたと思って?』
『早紀まで、、、』
女1『みんなあんたが特待生だから、学園から期待されていたから仲良くしてあげていただけよ』
女2『なのに調子に乗ってテニス部と親しくなるなんてっ!!』
麗美『ねえ、蘭華。もうあなたに付き合ってあげる必要はなくなったの。この意味わかる?』
早紀『あなたはもう剣道ができないでしょう?』
『リ、リハビリすれば――』
千明『そんなの意味ないよ』
『、、、え?』
バシッ――
『ッ!?』
千明『こういうこと』
早紀『景吾様達に話す?』
麗美『できないわよね。心配かけたくないものね?』
女2『それじゃあテニス部には気付かれないように私達も協力してあげる』
女1『ではまた明日』