青い炎
□8話
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『あ、もしもし柳君?えっと、昨日転入してきた――』
“九条だろう?”
『そうそう!!弦一郎から携帯番号聞いたんだ。勝手にごめんね?』
“いや、気にするな。それで、話というのは?”
『えっとね、、、。柳君ってデータ集めてるんでしょ?』
“ん?ああ。確かにそうだが?”
『それでね、私のことも調べてる?』
“ああ。言いたいことはわかった”
『え?本当?』
“このことを弦一郎に言うな、ということだろう?”
『すごいっ!!そういうこと!!、、、お願いできる?』
“わかった”
『あー、良かった!!』
“弦一郎に本当のことを言わないのか?”
『え?あ、うん。弦一郎には迷惑かけたくないの』
“迷惑?”
『そ。今までは心配をかけるから言わないでおこうって思ってたんだけどね、心配するんじゃなくて面倒事だと思うんじゃないかって』
“弦一郎が面倒事だと思う?本当にそう思うのか?”
『うん。前までの私だったら、絶対そんなはずないって思ってたんだけどね、今っていうか、今日、それも私の思い違いなんじゃないかって思ったんだ』
“本人に聞かないのか?”
『聞いたって無駄だよ。優しいから、はっきりと面倒だなんて言わないよ。私はその優しさに甘えていたんだ』
“、、、”
『あっ、ごめんね。じゃあ用事はそれだけだからっ。また月曜日にね!!』
柳君に愚痴を言っちゃうなんて、、、昨日と今日は久しぶりに人と話したから疲れてるんだな。
なんの違和感もなかったけど、学校を退学したのが今年の2月でそれからずっとほとんどの時間を家で過ごしていたから、家族と国光以外の人と普通に話すのは2ヶ月振りだった。話すことがまったくなかったというわけではないけど、転入試験で先生と話したり、国光に付き添われて行ったコンビニで店員と少し話した程度だ。
明日は日曜日だから家でゆっくりしてよう。落ち着いてからまた月曜日から頑張ろう。