企画!

□薬のせい
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アイシクルロッジから少し離れた所にある小さな村。
ヴィンセントとユフィは村周辺のモンスターの生態調査として訪れていた。
極寒の地の寒さは厳しく、また天候の関係もあって夕方近くになると吹雪いてきたので、二人は早くにその日の調査を切り上げた。
そして宿屋で夕食を済まし、シャワーを浴びて部屋で一服する。
暖気を放つ暖炉の火をベッドに座ってぼうっと眺めていると、隣にユフィが座ってきた。

「・・・」
「・・・」

他愛のない話しが始まるのだろうと内心楽しみにしてたが、一向にそれが始まらない。
どうしたのだろうと思ってユフィの方を見ると、ユフィはやや俯き気味にぼうっとしていた。

「ユフィ、どこか調子が悪いのか?」
「へっ!?」

声をかけるとユフィは驚いて顔を上げてヴィンセントの方を見た。
顔を上げたユフィの頬は朱色に染まっており、心なしか瞳も潤んでいる。

「な、何?ごめん、聞いてなかった」
「どこか調子が悪いんじゃないか?顔が赤い、熱でもあるんじゃないか?」
「な、ないよ!全然ダイジョウブだから!」

首を横に振ってユフィは否定するが、それで納得が行く筈もなく、ヴィンセントは自分とユフィの額に手を当てて熱を確認した。
自分の熱と比べてユフィの熱はやや高めだったが、病気系の熱とは少し違うような気がした。
病気の熱というよりは、情事の後の熱のような―――

(まさか・・・)

ハッとなってヴィンセントは視線を下に落とした。
ユフィは白く引き締まった太腿を擦り合わせており、時折甘く息を吐いている。
加えて表情はどこか物欲しそうな、もどかしそうなものになっており、明らかに女の顔になっていた。
ユフィが風呂に入るまではこのような様子は見られなかったので、そうなると風呂から上がった直後の数分間になにかあったとした思えない。
経緯はともかく、こうなってしまった原因に大体の検討をつけながらヴィンセントはユフィに尋ねた。

「ユフィ、何か飲んだか?」
「う、うん・・・これ」

頷いてユフィはポケットから小さな茶色の小瓶を取り出して渡した。

「これは?」
「宿のおばさんがくれたんだよ。寒くてたまらない時はこれを飲むといいって。
 この村で昔から使われてる薬で、飲むと温まるよって言うからついさっき飲んでみたんだ」
「・・・」

ヴィンセントは眉根を寄せながら小瓶の蓋を開け、匂いを嗅いだ。
甘ったるく、嗅いだ事のある匂い。
タークスの頃、ターゲットの女をその気にさせて情報を引き出す為に使用した“アレ”を思い出させる。

「・・・ユフィ、これは媚薬だ」
「媚薬!?なんでそんなもん宿屋のおばちゃんが持ってんだよ!?それに悪い人には見えないし―――」
「お前もさっき言っていただろう?昔から使っているものだと。
 恐らく、この村で採れる植物か何かに含まれる媚薬成分を発熱作用があると勘違いしたのだろう」
「うそ〜!解毒剤とかないかな?」
「期待は出来ないだろうな」
「となると・・・」
「効き目が切れるのを待つか、発散するしかないな」

ヴィンセントが言い終わるか終わらないかのタイミングでユフィは勢い良くヴィンセントに抱きついて耳元で囁いた。

「久しぶりだしさ、ちょうどいいんじゃない?」

体の疼きを紛らわせるのも兼ねているのか、擦り寄るようにして体を押し付けてくる。

「さて、どうだろうな?」
「意地悪しようたってそうはいかないよ!」

ドンッとヴィンセントをベッドに押し倒すと、ユフィは覆い被さって間髪入れず口付けをした。
舌を挿入してきてヴィンセントに絡んでくる。
いつもより温度の高い舌が懸命に絡んでこようとするその様が可愛らしくて、加虐心を煽られる。
煽られるままに柔らかな膨らみに手を這わして優しく揉んで捏ねた。
けれど直に肌に触れるのではなく、服の上から焦らすように触れる。
ピン、と存在を主張する粒を優しくゆっくり爪で引っ掻いた。

「んん・・・ふ、ぅん・・・!」

薄く開かれたユフィの瞳が「直に触ってほしい」と訴えかけてくるが、あえて素知らぬフリをする。

「んむっ・・・!」

ユフィは自分の胸を弄ぶ手を掴むと自ら服の中に招き入れ、直に触れさせる事で更なる快感を得ようとした。
そんな、珍しく積極的な上に、いつもだったらしないような行動を取るユフィにヴィンセントの中の獣が舌なめずりをする。
でも、まだ食べるには早い―――。
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