書斎U

□そりゃしゃーない
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セブンスヘブンにて・・・


カウンター席でユフィは皿を拭いているティファと楽しそうにおしゃべりをしていた。
ユフィの隣にはヴィンセントがいるが彼は静かにコーヒーを飲みながら本を読んでいる。
けれど目を休める為か、本から目を少し離した。
そして何気なくユフィの方をチラリと見ると・・・

「ユフィ、ゴミが付いてるぞ」

ユフィの髪の毛に手を伸ばして触れた。
なんでもない普通の行動なのにユフィの肩はビクリと跳ねて固まった。

「取れたぞ」
「あ・・・うん、ありがと・・・//」

ヴィンセントが触れた部分の髪をしきりに指で梳くユフィ。
その顔は心なしか赤い。

「?」

一連の流れを見ていたティファはこの事に疑問を感じた。
本当に何でもない事なのに何故ユフィはあんなにも大きな反応を示していたのだろう。
ヴィンセントと付き合っている、というのは知っているがそれにしてもこの反応はどうだろうか?
今まで似たような事があっても普通に「ありがと」で済ましていた筈。

(くすぐったかった・・・とはちょっと違うわね)

ティファは心の中で首を傾げるばかりだった。















別の時、WROにて・・・


ユフィは休憩中のシェルクと楽しそうにガールズトークなるものをしていた。

「新しく出来たショッピングモール知ってる〜?かなりでかいみたいよ」
「らしいですね。相当の規模だとか」
「今度行ってみない?シャルアも誘ってさ」
「ええ、どんなものか偵察しましょう」

シェルクは小さく笑いながら言う。
ディープグラウンドから抜けだした後のしばらくはこういう事はなかったのだが、彼女も自分を取り戻しつつあるのだろう。
だが、そんな所に一人の男が訪れる。

「シェルク」

言わずもがな、ヴィンセントその人である。
ヴィンセントが入ってきた途端、ユフィはそわそわし始める。

「どうしましたか?」
「リーブが例の情報解析について詳しく聞きたいそうだ」
「わかりました。後で行きます」
「それとユフィ」
「えっ!?な、何?」
「今度の任務は私も行動する事になった」
「あ、そう、判ったよ」

あまりヴィンセントと視線を合わせる事なくユフィは頷いた。
その様子にシェルクは少なからず疑問を抱いた。
とりあえず判る事は、喧嘩をしたという可能性はないという事である。
そういう雰囲気でもないし、むしろユフィの頬が少し赤く染まっている。
となると、いい意味で何かあったのだろう。

(見当をつけるのは無粋でしょうね)










更に別の時・・・


「おめぇ、最近ヴィンセントの奴とはどうなんだ?」
「どうって・・・別に?ラブラブだけど?シドはシエラさんとはどうなのさ?」
「あー?まぁ、ボチボチな」
「何?倦怠期?」
「んな訳あるか。んな事より、ヴィンセントとどこまでラブラブなんだ?」
「それ聞くの野暮ってもんでしょ」
「そりゃそーだけど気になんだろ?」
「・・・ヒント、超ラブラブ」
「は?」
「じゃっ」

ユフィは風の様にその場を離れた。

(・・・なるほどな)

シドはニヤリと笑うのだった。
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