お題倉庫

□冷凍食品
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『冷凍食品とか適当なもの買っておくから帰ってきたらそれ食べていいよ』

ヴィンセントが遠征に行く日、ユフィがヴィンセントを見送る時にそう言った。
そしてその数日後には別任務の関係でユフィが遠征する事となった。
WROの任務で遠征する事の多い二人は冷蔵庫に生ものをずっと保存している事が難しく、二人の遠征任務が重なる事を想定して冷蔵庫にはあまり生ものを入れないようにしている。
そうなると必然的に冷蔵庫の中は空っぽで、かと言って任務でへとへとになって帰って来た所に買い物に行く余裕などない。
そんな訳でユフィがスーパーで適当に買ってきた冷凍食品やカップ麺を食べるのが遠征から帰宅後の常である。
勿論、セブンスヘブンに行ったり他のレストランに行って外食する事もあるが大抵は動くのが億劫で行かない事の方が多い。

「さて、どれにするか」

ガラリと冷凍庫を開けて中身を物色する。

パスタ、チャーハン、グラタン、ラーメン、うどん、たこ焼き、お好み焼き、ユフィの大好きなアイス・・・。
中身を覚えて一旦閉める。
戸棚にカップラーメンがしまわれているが今日は冷凍食品を食べたい気分だ。

「・・・パスタとグラタンにするか」

数秒考えて結論を出したヴィンセントは早速冷凍庫からパスタとグラタンを取り出すと先にパスタの方から電子レンジに入れた。
袋の裏に書かれている指定時間の通り時間を設定してスタートボタンを押す。
その間にお茶やフォークなどの食器を用意している時にユフィからLINEのメッセージが入って来た。

『今日のミッションしゅ〜りょ〜。つかれたよー』

そんなメッセージの直後に疲れてへこたれるチョコボのスタンプが押される。
ベッドに倒れ込んで残った体力で打ち込んでいる姿が容易に想像出来てヴィンセントはクスリと笑った。

『夕飯はちゃんと食べたのか?』

『さっき食堂でハンバーグ食べた〜。ヴィンセントは?』

『これから冷凍のパスタとグラタンを食べるところだ』

『へ〜オシャレじゃん。飲み物はワインにしたら?』

『いや、今日はお茶の気分だ』

『そっか。まぁオシャレでも冷凍食品だからなんか微妙だね(笑)あ、アイス食べてもいいよ。いくつか買ってあるから』

『分かった。気が向いたら食べよう。代わりにお前が帰ってくる日に合わせて何かデザートでも買っておくが何がいい?』

『プリン!』

『あ、やっぱケーキ!』

『あ〜でもシュークリームも捨てがたい・・・』

『お前が任務を完遂出来たら褒美として三つ買ってやろう』

『マジで!?やった!!絶対だからね!!』

『ああ、約束しよう』

『んじゃ、これから報告書書くからヴィンセントはケーキ屋サーチしておけよ〜!』

『リテイクを喰らわないようにな』

『分かってるよ!』

そのメッセージの後に今度は親指を突き立てる可愛らしいモーグリのスタンプが押される。
ヴィンセントはフッと笑うと温め終わったパスタを取り出してグラタンと入れ替えた。
グラタンの温め時間は長いのでパスタを食べながらゆっくりと待つことにした。

(さて、どこのケーキ屋にするか)

ユフィと暮らし、共に町に買い出しに行っている事もあって自然とケーキ屋のマッピングは出来ていた。
種類が豊富な店や値段は高いがその分だけ豪華な果物が飾られている店、可愛らしい見た目のケーキを置いている店、さてどれにしよう。
今の時期なら季節限定のケーキも置いてあるかもしれない。
一旦は店の外や看板を見て中身を確認するとしよう。

喜ぶユフィの顔を思い浮かべながらヴィンセントはパスタを一口頬張るのであった。











END

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