商店街

□マキナの疑問
2ページ/4ページ

「マキナまたレムに振られたンスか?」

おにぎりはやめてサンドイッチを二つ買った俺はティーダのいるレジで会計をしてもらう事とした。

「またってなんだよ」
「だってミスド(ミセスドーナツの略)でレムに会えなかったらいっつもここに来るじゃないッスか」
「・・・たまたまだ」
「ふーん。『オカン食堂』には行かないンスか?」
「この時間は混んでるだろ?食べた後も一服したいし」
「あー、そっか。時間気にしながら食べても食べた気がしねーもんな」

言いながらティーダは袋を取り出してサンドイッチなどを入れようとする。
その間に俺はレジ台の上にある肉まんを見た。
ラインナップは肉まん・あんまん・カレーまん・ショコラまん・・・。

(偏ってる・・・よな?)

ショコラまんなんて冬限定の商品だろ!
何故常に置いてあるんだ!?
しかもこのラインナップはおにぎり同様、揺るぐ事がない。
そりゃたま〜に豚まんとかピザまんとか入ってくるけど本当にたま〜にだ。
もう自分たちの好みで入れてるとしか思えない。
まぁ、ほぼ私営だからいいのかもしれないが。

「肉まんも買うか?」
「あ、いや、いい。それより、ここの商品って何を基準に決めて入荷してるんだ?」
「俺達五人の好み」

やっぱりか・・・。
まぁ、赤字は出してないみたいだし大丈夫なんだろうが・・・。
ともかくレジの会計が終わったので俺はポイントを付けてもらってコンビニを出た。
そのままカラオケに戻って奥で食べようと思ったけど少し寄り道。
エースはまだ店番か?





・・・と思ったらデュースと何か話していた。
しかも楽しそうだ。
あの二人、出来てるとかなんとか・・・。

・・・・・・

・・・・・・

チッ、リア充め。
いいさ、俺だってレムとよく楽しそうに話してるからリア充だ。
いや、もうスーパーリア充だ。
最近二人っきりの時間が少ないように感じるかもしれないがそれでもスーパーリア充だと言い張る。
でも邪魔しちゃ悪いから二階のエイトがやってるレンタルショップに行く事にした。











「どうしたマキナ?レムに相手にされなかったのか?」
「なんでティーダもエイトも俺が来たらレムに振られたって思うんだよ!?」
「だっていつもレムがいなかっただのなんだの言って来るじゃないか」
「確かにそうだけれども!!」

くそ、今度はレムとは無関係に来ないとずっとからかわれ続けるハメになる・・・!
だが、それはさておき。

「ところで、何でここでレンタルビデオをやろうと思ったんだ?他にも一階建ての所はあったろうに」
「一階だと誰かが18禁コーナーに入っていく姿が丸見えだろ?」
「そこの心配!?店の奥のそれもカーテンをかければいいだろ!!」
「でも最終的にはカーテンから出なきゃいけないし、どこの建物もオープンだから結局は意味がないんだ」
「改装した時についでに隠すようにすれば良かっただろ!それかポスター貼るとか!」
「面倒だし金だってかからない訳じゃない」
「今面倒って言ったな!?全てはそこに集約されるのか!!」
「それなりに儲かってるんだし問題はないだろ?」
「まぁ確かにそうだが・・・」

それよりエイトってこんな奴だったか?
こんなボケっぽいのをかますような奴でもなければ、なんとなくでレンタルショップをやる奴でもなかった筈。
いや、それとも単に俺がまだまだ理解不足なだけか?
なんにせよ、俺はエイトと少し話してから今度こそカラオケに戻った。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ