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□セフィロスの静かなる午後
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土曜日の午後。
『オカン食堂』の土曜営業は14時で終わる為、セフィロスは商店街をブラブラ歩いていた。
ジェネシスたちは今日は掃除当番なので店に残っている。
昼食も食堂で食べたので今は他にやる事がない。
このまま屋敷に帰るのもいいかもしれないが、なんとなく帰る気になれない。

「さて、どうするか・・・」

どっかの店に冷やかしにでも行こうか。
そう思ってキョロキョロと店を見回していると、ユフィたちがやってるパン屋の二階―――喫茶店に目が行った。
確かあの喫茶店はエルオーネとデュースが営んでた筈。

「・・・寄っていくか」
















人と人がすれ違うのがやっとなくらい狭い階段を上がって扉へ。
その間にほのかなコーヒーの香りが漂ってきてセフィロスの鼻腔を満たした。
木製の扉の前に立ち、把手に手をかけて押し開く。
すると、扉は不自然なくらい滑らかに開いた。

「わっ!」

扉の隙間から女性―――エルオーネが驚きの声を上げた。
恐らくエルオーネも同じタイミングで扉を開けたのだろう。
扉を開ききってエルオーネはセフィロスに尋ねる。

「セフィロス。どうしたの?」
「コーヒーを飲みに来たのだが・・・」

チラリとエルオーネの右手に視線を移す。
その手には『close』と書かれた、紐の通されている木製の札が握られていた。
丁度店を閉める所だったのだろう。

「日を改めるしかないようだな」
「待って。飲んでっていいわよ、特別に」
「なら遠慮なく飲ませていってもらおう」
「フフ、いらっしゃいませ」

笑顔でセフィロスを迎え入れ、扉の表に『close』の札をかけてから扉を閉めた。













セフィロスはカウンター席に座り、エルオーネはカウンターの中に入ってコーヒーの用意を始めた。
しかし出来るまでに時間がかかるので、カウンターの下にしまってある椅子を引っ張りだして座った。

「どういう風の吹き回し?コーヒーなら屋敷でも飲めるのに」

「ただの気まぐれだ」

「そう」

「もう一人はどうした?」

「デュース?デュースならセフィロスが来る少し前に屋敷に帰ったわ。後は私がやっておくって言って先に帰らせたの」

「そうか」

コーヒーの香りが漂ってくる。
もう少しすれば出来上がるだろう。
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