お題倉庫

□ひんやりした畳
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サイド・ユフィ


ウータイの家屋には必ずある畳というもの。
これがとても有能で、寝っ転がってもフローリングほど痛くないし、また冬は氷のような冷たさがない。
夏は日陰の所で寝っ転がると冷たくて気持ちいい。
ヴィンセントはそんな畳が大好きで、夏の時期にウータイにくると必ずと言っていい程寝っ転がる。
ユフィとしてもヴィンセントが自分の国の文化の一つである畳を受け入れてくれている事を嬉しく思っていた。
それと同時に、ある楽しみも見つけていて、密かに楽しんでいたりする。

「ヴィンセンとー、今日の夜なんだけどさぁ」

縁側のある居間の戸を開ければ、1人と2匹の身体が転がっている景色が目に飛び込む。
ヴィンセントは2匹の猫に足を向けて眠っており、また2匹の猫もヴィンセントに足を向けて寝ている。
しかも1人+2匹とも仰向けに寝そべって。

「まーたシュールな寝方しちゃって」

ユフィはくつくつと笑ってポケットからスマホを取り出すと、早速撮影した。
そして撮影して保存した画像は専用のフォルダの中に入れる。
フォルダの中にはこれまで撮影してきた、ヴィンセントと猫たちのおかしな寝相写真が収められていた。
ヴィンセントを枕に寝る猫たちや頭を寄せ合って寝ている写真、ヴィンセントの頭の横で猫が丸まって寝ている写真など様々である。

「よくもまぁこんな寝方出来るわ」

写真を眺めながらユフィは穏やかに笑うと、同じようにヴィンセントの隣に寝そべるのであった。











オマケ


あれから数時間後・・・


「ん・・・夕方、か・・・?ユフィ・・・?」
「んぁ・・・ふぁ〜あ、よく寝た〜。あ、ヴィンセント、寝痕ついてるよ」
「む・・・ついてしまったか」
「ちゃんと座布団敷いて寝なきゃダメじゃ〜ん」

すりすり(寝痕を撫でる)

「つい忘れてしまったな」
「あはは、どんまーい」
「そういえば、猫は?」
「あー、帰っちゃったんじゃない?よく夕方近くになると出て行くし」
「まるで子供だな」
「ね〜。それよりさ、今日の夕飯は亀道楽行かない?お店のおばちゃんが新作メニューをタダで食べさせてくれるって」
「それはいいな。ならば夜は亀道楽に行こう」
「けって〜!んでさ、その後さ・・・」
「ああ、判ってる。朝まで付き合ってもらおうか」
「えへへ、望む所だ!」









END
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