萌えcanですよ

□潜入捜査の準備
1ページ/1ページ

「よし、これでいいかな」


IMG_3846


ユフィは潜入捜査の為におめかしをしていた。
ヒラヒラと揺れる可愛らしいドレスに身を包み、白い花の髪飾りと黄色い星のイヤリングを身に着ける。
こんな時以外では絶対に着ることのない服にユフィは少しはしゃいでいた。
でもこれから任務なのだ。
はしゃぐ心を抑えようと大きく深呼吸する。

「すぅー・・・はぁー・・・さて、ヴィンセントのとこに行ってみるかな」

今回の任務にはヴィンセントも同行する。
ヴィンセントの設定は令嬢設定のユフィを護衛するSPだ。
タークス時代にやっていたであろう護衛任務をまさか役としてやる事になろうとは夢に思わなかったとヴィンセントは苦笑していた。
苦笑する程度にはもう吹っ切れているのだろう事にユフィは内心ホッとしていたりした。

さて、ヴィンセントが着替えているであろう個室の前に来てユフィはドアノブに手をかけた。

「ヴィンセントー、入るよ―」

ヴィンセントの返事など待たずにドアを開け放つ。
すると―――


IMG_3797


「ユフィ、準備が出来たか?」

黒のグローブ、ストライプのネクタイ、サスペンダー。
普段のヴィンセントが着ないようなスタイルに思わずユフィの胸がときめく。
何でも着こなす方だと思っていたがここまでとは。
あまりの違和感の無さに言葉すら失う。

「・・・!」
「どうした?」
「べ、別に!?そ、それよりしっかり護衛してよね!?」
「?ああ。お前もしっかり令嬢らしく振る舞うようにな」
「よゆーだし、そんなの!」
「ほう?では―――」

徐にヴィンセントは片膝をついてユフィの手を取ると

「ヴィンセント・ヴァレンタインです。お会い出来て光栄です」

と言って手の甲にキスをした。

「・・・!!?!」
「この後になんて言うんだ?」
「え・・・えっと・・・こ、こちらこそ、お会い出来て・・・光栄、デスワ・・・」
「フッ、悪くはないな」

涼しい顔で「行くぞ」なんて言うが「赤くなった顔を元に戻すまで行ける訳ないだろー!」と心の中で叫ぶユフィだった。










END

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ