萌えキャンなのよ

□ガラス細工の姫君
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それは、クラウドが湖で寝転がっていた時のこと・・・。


「ふぅ・・・今日も疲れたな」


荷物の宅配とその道すがらのモンスター退治。
毎日これの繰り返しだ。
モンスターは無視してもいいのだが放って置くと後に来た者が襲われてしまう危険性がある。
それを考えると見過ごす事など出来はしない。
つくづく自分もお人好しだと思う。


「さて、そろそろ・・・ん?」


起き上がってバイクに乗ろうとした所である物に気づく。
それは湖の上から緩い螺旋を描くようにして天から降りてきているガラスの階段だった。


「何だ・・・?」


新種のモンスターか、はたまた超常現象か。
それとも宇宙人襲来か?
一体何が出てくるか分からないがとりあえずクラウドは大剣に手を伸ばし、いつでも戦えるように備えた。
しばらくそうやって構えていると―――女性が一人、階段を降りてくるのが見えてきた。


「女・・・?」


まるでリズムでも刻むかのように女性はテンポよく階段を降りてくる。
そうして段々とその姿がハッキリと分かってきて


「っ!?」


クラウドは絶句した。



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「ここが人間界ね」


最後の一段から地上へと女神が舞い降りる。
美しい黒の長髪、優しそうな顔立ち、抜群のプロポーション、そして彼女を彩る綺羅びやかなガラス細工のドレス。
まさに女神と呼ぶに相応しい美しい女性にクラウドは言葉を失う。
と、同時に心を鷲掴まれた。


「あ、すいません。ちょっといいですか?」


こちらの存在に気付いた女性が話しかけてきてクラウドは跳ね上がりそうになるが努めて冷静に対応しようと試みる。


「・・・な、なんだ・・・」

「今日お祭りをやってる街があるって聞いたんですけどどこか分かりますか?」
「祭りか・・・」


聞かれてクラウドは一瞬考え込むがすぐにお祭りを開催している街を思い出す。
今日配達に行った街で、今いる場所はその街とクラウドが拠点にしている街の中間地点だ。


「ここからしばらく行った所にカームっていう街がある。そこで祭りが開かれている」

「カームですね?ありがとうございます。それでは私はこれで失礼します」


女性は丁寧にお辞儀をするとその場から立ち去ろうとしてしまう。
が、クラウドはなんとかそれを引き止める。


「ま、待て!」

「はい?」

「その・・・ここからだとかなり距離があるから俺が送っていく」

「でも・・・」

「途中にモンスターも沢山いて大変だ。遠慮しなくていい」

「じゃあ・・・お言葉に甘えちゃおうかな」



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ニッコリと笑った女性にクラウドは内心舞い上がる。
引き止め成功、後は送っていくだけ。
出来ればお祭りも一緒に楽しみたい。
しかしなんて言って誘おう?
とりあえず送っていく途中で考えるとしよう。
クラウドは大剣をバイクにセットして跨ると女性に座るように促した。


「乗ってくれ」

「えっと・・・こう?」


女性はちょこんとクラウドの後ろに座るがこれではいけない。


「嫌かもしれないが俺にしっかり掴まってくれ。じゃないと振り落とされるぞ」

「こんな感じでいい?」


腰に腕を回され、ギュッと体を密着させられる。
ふにゅ、とした言葉に出来ない柔らかい二つの果実を背中に押し付けられてクラウドの口から心臓が飛び出しそうになる。


「・・・っ!!!?!」

「そういえば名前がまだだったわね。私、ティファ。貴方は?」

「・・・・・・クラウド」

「宜しくね、クラウド」

「・・・・・・あぁ・・・」


今までに自分の名前がこんなにも特別に聞こえた事があっただろうか。
クラウドはまるで夢でも見るような心地でティファをカームへ送っていくのであった。











↓使おうと思ったけど使い所がなかったので



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