書斎U

□攻防
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「あっ!や、やらぁ!やらぁ!」

先程舐めていた耳に猛攻をかける。
逃げようとする身体に覆い被さって押さえつけた。
快感とくすぐったさに小刻みに跳ねる腰が当たる度にゾクゾクと黒い征服欲に支配される感覚がした。
こんなにも仄暗い快感は久しぶりだ。
もっと味わいたい。

「ふぅんっ・・・はぁ、ぁ!」

耳の中に舌をねじ込んでいたぶると、限界が近いように息も絶え絶えになり、絶え間なく身体を震わせた。

もっとだ、ユフィ。もっとだ。

「はぁ・・・はぁっ・・・あ―――!」

首筋は―――初めて味わう。
少し日焼けしたユフィの首筋に興奮して何度も舌を這わせて華を散らせる。
紅い華がよく映える。

だが、まだ足りない。

仰向けにして、華を散らせられる箇所を探す。
次は鎖骨だ。

「った・・・!」

これは止まりそうにない。
歯止めが利かない。

「うひゃっ!?腰くすぐった―――いたっ!」

あれだけ自分を抑えていたのに何故こうも簡単に脆く崩れてしまったのか。

「あ、やっ・・・ヴィンセン、と・・・!」

全てユフィの計算か?
どこからどこまでが計算通りだったんだ?
まさか全てが計算通りとは言うまい?

「ヴィ、ヴィンセント!」

ユフィの声でふと我に返った。
私の眼前にはユフィの太腿があり、それはいくつもの紅い華を散らした上に私の唾液で濡れていた。
チラリとユフィに視線を送れば、ユフィは不安気な顔をしながらも期待に満ちた瞳を向けてくる。

「・・・何だ?」
「もう・・・終わり、だよね・・・っ?」

この行為の終わりを意味しているのか。
この行為で終わりを意味しているのか。

生憎、今の私には判らないな。

「・・・さぁな」

次に私が何をしたのかは好きに考えてくれて構わない。

















END





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