長編小説〜歌え、叫べ、ケモノ唄〜
□俺は執事様
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「えへへ〜」
「………………」
町の中、人が行き交う中俺と凪は歩いている…お揃いの服装で…
「あはは!本当に久々だよね〜あー!あれ、かわいいね」
「…………………」
お揃いと言っても、ベレー帽とコートくらいだが…
「おい…凪…あまりはしゃぐなよ…」
「え?良いじゃん今日くらい」
「…………はぁ…」
凪は思い切り笑って見せる…調子が狂う…くそっ…
「あの二人お揃いだ〜」
「なんか、ういういしいね〜」
早く買い物を済ませる!
「私は絶対に嫌!あんなところにずっと閉じこもって勉強なんてうんざり!」
急に女性の怒鳴り声が聞こえた。
「ですが…お嬢様…」
「私はお嬢様じゃない!結梨って名前があるの!」
よく見てみると昨日カフェの前にいた…
「あー…総理大臣の娘さんだよね?天照?」
「あぁ…」
隣にいる凪も覗き込んできた。
「うーん…」
「どうした…凪…」
「いや、お嬢様ならもっと派手な服装するんじゃないかなって思って…だってあれ…ワンピース…」
「見るからに脱走だからな…服装だって変えるだろ…」
「そっか」
凪は隣に来た。目が合うと微笑んできたので目を娘さんへ移した。