短編夢小説

□手、繋がへん?
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『なー、千歳。散歩せえへん?』


「どうしたん?急に」



理由はない。


なんか今日は夕日が綺麗だから歩きたいだけや。


千歳ならいい場所知っとるかもしれへんし。



『ん?いや、なんでもあらへんよ?ただ、何となく…や。』


「ふーん。ほんまにそうなん?」



何故か今日に限ってめっちゃしつこい。


なんやねん、いつもは自分に興味ありませんーって顔して座っとるだけやん。



『しつこいな、白石。ほんまに何となくやって。…千歳、付きおうてくれる?』


「よかとよ。」



千歳なら言ってくれると思った。


趣味が散歩やもんね。



「あ、そや。悠李、ちょっと来てみい。」


『なんや。』



こっちは早く散歩に行きたい!!!!


夕日が沈む!!!!


そんな事思ってても白石には届かへん。



「耳かしてみ」


『はぁ…。』




(「千歳と散歩するときは手、繋ぎや。」)


は?なんで手を繋ぐ必要があるん?


うちは幼稚園児か!!


(「千歳歩くの速いんや。……迷子になるで?」)



迷子になるなんて言われたらしゃーないわ。


うち、軽い方向音痴らしい。


自分では思った事はないけどな!



「悠李、そろそろ行くばい。」


『おん!!!』


「頑張りや。」



白石は誰に言うてんの?


日頃エクスタシーって言うてるだけあって頭おかしいわ。



『千歳。』


「んー?」


『手、繋がへん?』


「今日は随分と大胆なんやね。」


『そ、そんな事あらへんし!』




(「悠李ちゃん、よく言ったわ!!」「小春ー!浮気か!」「なんや寂しいなぁ。」「なんや謙也。もしかして悠李のこと…。」「そ、そないな訳あらへんよ!!??」)
 

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