雪と交えて涙が落ちる

□クリスマスイブ
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僕にはクリスマスなんて必要無い。

小さい頃からずっとそう思ってきた、クリスマスなんて虫螻共がただ群れるだけの事じゃないか。


何故、クリスマスは存在する?

何故、クリスマスが特別?

小さい頃の僕にはそう思えて仕方がなかった。

けれど、大きくなるに吊れ段々とその理由が解ってきた。



『雲雀、雲雀、寝てるのですか?』


『……………。』


『…寝てるわね。』


『……………。』


パタパタ


『ミードリ、タナービク、ナーミーモーリーノー。』


『み、ヒバートお早うなのですよ。』


『リカオハヨウ、ツイデダカラ、ボクトクリスマスイカナイ。』


ポカーン…



『……雲雀の真似?』


『悪いけど僕はそんな事言ってないよ。』


『ひ、雲雀!…いつから起きて……?』



梨花の声が聞こえた時から、と言うよりも応接室に入った時からと言えば正しいのかな。

でも僕は、梨花に対して正直な人間じゃないからね。


好きな君にちょっとした、意地悪をしたくなるんだよ解る?



『名前呼ばれた時から起きてた。』


『みぃ…。』


『何も驚くこと無いだろう?』


『…別に驚いてなんか無いのです。』


『正直じゃない子は嫌いだよ。』



何て嘘さ。

正直じゃない梨花も。

正直な梨花も。

好きだよ。


……何て言ったら驚く?

でも、驚くのはコレから何だからね梨花。

覚悟しときなよ。








今日はクリスマスイブ何だから、ね。

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