夢小説
□なんだかんだ、可愛い
2ページ/4ページ
まだ一人しか練習していない体育館で。
バスケコートの右サイドレーンをドリブルで走っているその姿に目が留まる。
レッグスルーやクロスオーバー、ビハインドザバックを軽々とこなしてゴール下に進んでいく、一人のSF。
「奏」
シュート体勢に入ろうとしたところを、
後ろから少し強引に抱きしめた。
「何…うわっ!?、ちょ、シュート打てねぇし、邪魔っ、」
「さーんきゅ」
「……おー」
「奏」
「……なんだよ」
「顔めっちゃ真っ赤」
「うっさい、あんただって赤いし」
「そうだな」
「……」
「……」
「……開けた?」
「うん」
「読んだ? 」
「うん」
「……そう」
「……嬉しかった」
「……あっそ」
そっぽを向いたままのその顔。
そっけないような返事。
でも、そんな態度とっときながら、
ボールを持ってないほうの手を、
俺の手にそっと重ねてくる。
……ほんと可愛いよなこいつ。
「……清志」
「おう」
「好き、だよ」
やっぱり顔は、そっぽを向いたまま。
「…俺も、」
好き、って囁く。
その言葉にぴくんと小さく反応した奏が愛しくて。
重ねられていた手を
きゅっと握った。
” Dear 清志
いつも素直になれないけど
なんだかんだ優しい清志が大好きだよ。
これからもずっと、隣にいさせて下さい。
from 奏 “
〜fin
おまけ→