夢小説

□なんだかんだ、可愛い
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まだ一人しか練習していない体育館で。

バスケコートの右サイドレーンをドリブルで走っているその姿に目が留まる。

レッグスルーやクロスオーバー、ビハインドザバックを軽々とこなしてゴール下に進んでいく、一人のSF。


「奏」


シュート体勢に入ろうとしたところを、
後ろから少し強引に抱きしめた。



「何…うわっ!?、ちょ、シュート打てねぇし、邪魔っ、」

「さーんきゅ」

「……おー」

「奏」

「……なんだよ」

「顔めっちゃ真っ赤」

「うっさい、あんただって赤いし」

「そうだな」

「……」

「……」

「……開けた?」

「うん」

「読んだ? 」

「うん」

「……そう」

「……嬉しかった」

「……あっそ」



そっぽを向いたままのその顔。

そっけないような返事。


でも、そんな態度とっときながら、

ボールを持ってないほうの手を、
俺の手にそっと重ねてくる。


……ほんと可愛いよなこいつ。





「……清志」

「おう」

「好き、だよ」


やっぱり顔は、そっぽを向いたまま。



「…俺も、」


好き、って囁く。


その言葉にぴくんと小さく反応した奏が愛しくて。



重ねられていた手を
きゅっと握った。







” Dear 清志

いつも素直になれないけど
なんだかんだ優しい清志が大好きだよ。
これからもずっと、隣にいさせて下さい。

             from 奏 “




〜fin
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