エメラルドの航海
□出会い
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ログがたまり、指針はウィスキーピークを指す。
「いいのか?小僧。こんな奴らのためにウィスキーピークを選んで。
航路が選べるのは始めのこの場所だけなんだぞ」
「気に入らねェ時はもう一周するからいいよ」
「…………そうか」
「じゃあな花のおっさん」
「ログポースありがとう!!」
「行って来い」
『お邪魔しました。これよかったら』
「…ああ」
ベストの下から覗くレンの太ももに固定されているナイフに、クロッカスは見覚えがあった。
「行ってくるぞクジラァ!!!!」
ラブーンの咆哮に背を押されるように双子岬を出向する。
「あいつらは…我々の待ち望んだ海賊達だろうか…。なんとも不思議な空気を持つ男だ。
なァ…ロジャーよ」
昔別れた友人を、久しぶりに思い出す。
「ルード…、お前の孫娘は元気だぞ」
テーブルに置かれたスキットルからは懐かしい甘酸っぱい匂いがした。
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