メイン♪(短)
□薄っぺらい足跡
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時を重ねるうちに
その想いは虚しさにかわり
波乱のない波に流されるような関係になってしまったのは
今更何かを変えるようなことをする気力は二人ともなく
ずるずると続けている関係
着替え終わった彼女がこちらに振り返った
「黒男、今日はここで泊まるの?」
あぁ、その小首をかしげた仕草
昔から変わらない
「あぁ・・・家に帰るには遠いからな」
昔、私が一目ぼれした仕草もそれだった
その小首をかしげて笑う笑顔に心を奪われたんだ
その淡い想いは綺麗なままで残していたはずなのに
偶然の再会で彼女の方からの告白
「私、ずっと黒男のこと好きだったんだよ?」
彼女の左手の薬指の輝きを見ないふりをして
彼女を抱きしめてしまったのは
私だって、まだ彼女のことを愛していたから
あの時から
この関係は始まったんだ