メイン♪(短)
□怖い本
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「せ、せんせ〜い!!」
「どうしたっ?」
部屋で仕事をしていると突然キャー!と叫びながら亜里沙が入ってきた。
ただ事ではない声を出しながら部屋に来た彼女は半泣きだった。
何かあったのか?!
「せ、先生ぃー!」
「亜里沙、落ち着け何があったんだ?!」
「こ、こ、こ・・・怖いっ!!!!」
そう言って思い切り私に抱きついてきた。
「なっ・・・///?!」
いきなり抱きつかれることに慣れていない私としては反応に困る。
「怖いんです!!あー!!もう怖いっ!!」
そう言いながらどんどん私にしがみついてくる。
その度にだんだん圧迫されて密着する。
「ま、待てっ!少し落ち着け!それから話せばいいだろう!!」
なんとか(惜しいが)亜里沙を引き離し
事情を聞く。
「何が怖かったんだ」
「・・・・これです」
そう言って亜里沙がおずおずと出してきたのは一冊の本。
表紙を見てみると「恐怖!!最恐の実話怪談!!」と書いてある。
あぁ、なるほど。
「これが怖かったんだな?」
私がそう聞くと彼女はコクコクと頷いた。
「なんでまたこんなものを・・・どこで買ってきたんだ」
呆れ顔でそう聞くと
「買ってきてない・・・写楽君に借りた・・・」
あの子か。
確かにこういうのをたくさん持っているのだろう。