メイン♪(長編)【その包帯を風に乗せ】
□命というもの。
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「はじめまして…」
やや緊張したような、探るような目つきで亜里沙は言った。
「はじめまして。よろしくね」
にっこりと笑って、ユリが言った。
それを傍らからみていた俺は、亜里沙がほっとして笑った笑顔を見てから口を挟んだ。
「とりあえず、成り行きでここに住まわそうと思うんだが異論はあるか?」
「あるわけないじゃない、よろしくね?」
「あ、ハイよろしくお願いします」
「亜里沙ちゃんだったわね。早速あなたの部屋を作らなきゃね」
作ると言ってもあいている部屋を綺麗に掃除するってことだけどな。
ユリについて歩いていく亜里沙はまるではたから見れば妹のようで。
ユリも姉妹ができたように嬉しそうだ。
そりゃそうだろうな。
俺と二人きりの生活はなんとなく殺伐としていたから。
二人の笑い声がむこうから聞こえてきた。
仲良くやってくれればそれにこしたことはない。
タバコを吸おうと思い俺は外に出た。
紫煙を吐き出しながら俺は
(仕事が何かと聞かれたらなんと答えよう…)
と考えていた。
できればユリの前では聞いて欲しくない。
ユリは俺の仕事には反対だからな。
一度色々まとめて説明しようか。
どういう反応をするんだろう
アイツは。