メイン♪(長編)【その包帯を風に乗せ】
□オレンジジュース
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太陽の光が心地よい。
絶好の散歩日和だね。こりゃ!
ジーパンのポケットに手をつっこんで歩く亜里沙。
気分がいいので適当な鼻歌を歌いながらフラフラとどこに向かうでもなく歩く。
何故こういう状況なのかというと、時刻は朝に戻る。
瀕死(本人は軽症のつもり)でキリコの家に運ばれた亜里沙は包帯を体中に巻きまくっていたのだが、いかんせんキリコが驚くほどの治癒力で1週間たったころにはほぼ全快していた。
「その包帯も、もうとってもいいだろう」
キリコが亜里沙の腕やら足やらにあった包帯をとりながら亜里沙の首もとを指差した。
首には深めのナイフの傷があったので痕が残っているらしいが、もう包帯はいらない状態だ。
「う〜ん、でもなんとなく取りたくない」
「なんでだ。いらないだろう」
「そのうち取るよ」
「・・・好きにしろ」
そういってキリコはでかける用意をしはじめた。
今日はユリさんは用事があって家にいないし、キリコも少ししたら用事(依頼ではない)でこの家をでていくと言っていたからそろそろ行くのだろう。
「お前、どうするんだ?」
「あたし?う〜んあたしも出かける。このあたりを少し散策するよ!」
「そうか、夕方には帰って来い」
お母さんみたいだなぁ。
・・・うえ、想像しちゃった。
「何変な顔してるんだ?」
「いや、なんでもない。もともとこういう顔なんだ」
「嘘吐け」
と、なんだかんだあって冒頭に至るわけである。
まぁやっとキリコの家での生活にもなれたので外にでてみたかったというわけなのだ。
(あー、のど渇いてきた)
一応家をでるときキリコが「これ、一応な」と言って二千円くれたから自動販売機でもあればジュースでも買おうかな〜。
なんて考えながら歩いていたら
公園を見つけた。
童心に返りますか。なんて考えながら公園にはいってみると、およよ?なんかケンカでもしてんのか?
やや遠くからギャーギャー聞こえる。