メイン♪(長編)【その包帯を風に乗せ】

□赤に染まる(BJ目線)
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無菌室を作りその中で
緊急のオペを行うことにした。


息も絶え絶えのこの少女は2度もピノコを救ってくれた恩人だ。
死なすわけには行かない・・・!

そう思い切開したものの予想以上に出血が多く、このままオペを続けても体力がもたない可能性が高い。


くそっ、どうすればいい!!
ピノコも焦る私をみて不安そうな顔をしている。
四方八方手詰まりになっていると、店のほうが騒がしくなった。

マスターの声が聞こえて、それとほぼ同時に
ずかずかと誰かが部屋に入ってきた。


丁度入口は私のうしろなので、誰がきたかわからなかった。

「・・・ブラックジャック・・・!!」

この言葉を聞くまでは。


その声に私は驚いた

「キリコ!どうしてお前がここにいる!!」


息を荒上げながら入ってきたキリコ。

私の質問も軽く流し、彼女のもとへかけよる。
「亜里沙!!しっかりしろ!!クソッ!ブラックジャック!!コイツはどうなんだ?!助かるのか?!」

「助けるに決まっているだろう!!・・・だが、血が止まらないんだ!!」

止血とオペを両立するも、そうなるとどちらも不可能だ。
だが片方だけに集中すると体力がもたない。


状況を説明するとキリコは悲痛な面持ちで舌打ちをした。


どうする・・・。どうすればいい。


キリコが必死で彼女に呼びかけている。



「亜里沙!!しっかりしろ!!」



くそっ!助かる方法がわからない!!


するとキリコがハッとした顔になり、
叫んだ。
「ブラックジャック!!一旦止血しろ!!」

何っ?!話を聞いていなかったのか?!


私がなんと言ってもヤツは止血しろ!!としか言わない。


・・・まさか、この男止血して美しいままあの世へおくろうなどと考えているんじゃ!!

「キリコ・・・貴様、まさかこの少女を殺すつもりかっ?!そんなことはさせんぞ!!」

「違う!!俺だって助けたいんだ!!」
必死に叫ぶヤツ。

「助ける?瀕死の女をお前さんが助けるだと?
だいたい、止血したって意味がないと言っているだろう?!」

いいからさっさとしろ!!とそれでも喚く。

なぜだ・・・?無駄なはずだぞ。

しかし、この男がここまで叫ぶなんて・・・。
いつものあの薄気味悪い笑みや余裕など微塵も読み取れない。

そう迷っていると、キリコが宣言する

「俺を信じろ!!もし俺が嘘をついていたら俺を好きにしてくれてかまわん!!だからっ早く!!」


正直驚いた。
あの男が信じろだと?!

一体どうしたというのだ。
真剣で、悲痛で、必死に。
全身全霊で助けようとしている。


・・・信じよう。
この男を信じてみよう。

「・・・いいだろう。止血をする」


ありえないと思いながらもキリコを信じ止血をする
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