メイン♪(曲)

□最大公約数
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「先生〜」

また彼女が遊びに来た。

嬉しい日常茶飯事だ。


「やぁまた来たのかい?」


「先生、また引きこもってんの?こんなにいい天気なのに」

私の部屋の窓にきてニコニコと話しかけてくる彼女。

「ひきこもりとはひどいな。ちょっと気になることがあるから調べているんだよ」
これ見よがしに医学書に手を伸ばしながら言うと、

「このまえもそう言って部屋からでてこなかったよね先生?」
クスクスと笑いながら言われてしまった。

「そうだったかな?」

「とりあえずお邪魔しま〜す」
素早く玄関先に回り、家に入りあっという間に私の部屋にきて亜里沙は私の椅子に座った。

「あ、おいどいてくれよ」
「やーだよ」
してやったりの笑みを浮かべた亜里沙は床に届かないのか足を宙でひらひらさせながら携帯を出し始めた。

完全にどくきがない彼女にため息をつきながら、気になることがあったのは事実だったので手に取った医学書をその場で立って読むことにした。

時折、ふふっと笑う彼女の声を聞く限り暇ではなさそうだ。
なぜ笑っているのかは気になったがそれはあとで聞こう。
今はこの興味深い本を読み進めたい。




どうやら私は思ったより、ながくその本に熱中してしまったと
最後の一ページを読み終えてハッと気がついた。
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